【viva不登校】卒業アルバムを笑いに変える息子は神
「今日は少し遅くなるからね。」
中2の息子がそう言って塾に向かった。今までにはない言葉なので、興味深くそれを受け取った。ただ、自分が子供の頃の記憶を辿り、大概の察しはついた。
これは、彼女だな…(ムフフ)
そう言って塾に行く回数が日に日に増えていった頃、妻が、
「パパ、知ってる、◯◯(息子の名前)、塾帰りに、クラスメイトの女の子と公園で話をして帰ってきてるのよ、◯◯から私に伝えてきたわ。」
妻は喜んでいた。私も胸が高鳴った。息子よ、いいじゃないか、すごくいいぞ。なんなら塾はほどほどにその恋に邁進しなさい。そう思った。
そして、矢継ぎ早に妻が、
「パパね、その子は小学校の時の同級生でね、◯◯が卒業アルバムで見せてくれたのね、で話はそこではなくて」
息子の卒業アルバムを見ながら、話に聞き入る。
「◯◯は、小5から卒業の2年間、不登校の時期を過ごしたじゃない、だから自分のクラスの集合写真は右上の枠に1人ポツンとあって、あれを改めて見て◯◯が言ったのね、『俺、この時期、色々あったな、でもこうやってアルバムを見ると、目立っていいね。』とね。なんだか嬉しかったわ。」
加工写真を見て彼が語ったこの言葉に、彼の大きな成長を感じた。我々を気遣ってか、それを笑いに変えてもくれた。
不登校の2年間、本当に彼は彼なりに自分の心の宇宙を旅したのだろう。我々はただそれを見守り、その時間を楽しみ、何より子供と我々の時間を切り離し、夫婦は夫婦でお互いの時間を楽しんだ。
卒業アルバムの中の加工写真の彼を見るたびに、振り返るのだろう、きっと。
viva不登校。
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