【膝】膝の腫脹(関節水腫)とその原因
こんにちわ!
先日は1児の父のモーニングルーティーンの記事を書かさせていただきました。予想では「あまり見る人はいないだろうな」、「ビューは一桁くらいかな」と思っていましたが、私が思っていた以上に見ていただけました。笑
ありがたい限りです。まだ見ていない方はぜひどうぞ。
今日ですが、膝の関節水腫について書いていこうと思います!
関節水腫とは
膝の痛みで来院される方の中で膝の腫れを伴っている方は少なくないと思われます。その膝に水が溜まっている状態を関節水腫といいます。
膝関節の中、いわゆる関節腔には滑液という関節液が溜まっています。正常は1-2mlですが、その関節液が過剰に溜まってしまうことによって「膝が腫れている」、「膝に水が溜まっている」ということになり、専門的には「関節水腫」といわれる状態になっています。
※滑液(関節液):関節をスムーズに滑らかに動けるようにする潤滑液のこと
関節水腫があるとどうなるか?
関節水腫が生じていることはつまり関節に炎症が生じているということになりますので、症状としては
・疼痛
・熱感
・膝にだるさ・重さを感じる
などが生じてきます。
さらに関節原性筋抑制(AMI)による大腿四頭筋の筋力低下が生じます。
関節原性筋抑制は腫脹により関節内の圧力が高まることによって関節包や靭帯組織のメカノレセプターが反応し、大腿四頭筋の収縮を反射的に抑制している状態になります。
そのため、関節原性筋抑制は、筋収縮・筋出力を抑制することによって関節を守るという保護になっていると考えられます。
水を抜くとクセになる?
よく患者さんでも「膝の水を抜くとクセになると聞く」と言われてる方が多いと思います。しかし、そんなことはありません。
クセではなく水を抜いた後も傷んでいる組織の炎症が残っていたり、水を抜いて痛みが落ち着いたからといって長時間歩いたり、走ったりとその人の膝にとって大きなストレスを繰り返しかけるとまた同じように水が溜まってしまいます。
水を抜くことは関節原性筋抑制を抑えること・疼痛を軽減させることなど色々メリットはありますが、そのあとの対応や行動に注意しないと再度水が溜まってしまいます。
関節水腫の原因
関節水腫の原因は様々ありますが、いくつか紹介させていただきます。
変形性膝関節症
膝OAでは、関節軟骨の性質に異常をきたし、軟骨の主な構成要素であるⅡ型コラーゲン繊維の変性と、衝撃の緩衝作用のための水分含有量の保持に重要なプロテオグリカンの変性が起こります。また、一般的に軟骨への力学的な負荷が増加することによって、その部分での硬化や骨棘形成などが生じます。
それらの結果として関節の構造的な変化を誘発し、膝関節の機能障害をきたします。
では、なぜ変形性膝関節症では関節水腫が出現するかというと変形した膝関節により、歩行や階段昇降など荷重動作で関節軟骨にストレスが加わることによって変性した軟骨は摩耗し、関節内に遊離することで滑膜に刺激を与えて炎症を起こします。
そこで滑膜が滑液(関節軟骨に栄養を与える液体)を過剰に産生することによって関節に水が溜まってしまいます。
半月板損傷・靭帯損傷
半月板は膝の衝撃をやわらげるクッションの役割を持っており、靭帯は関節の静的安定機構として機能しています。スポーツでひねってしまったり事故などで損傷してしまった場合には炎症が生じて腫脹を伴うことがあります。
関節リウマチ
関節リウマチでは自己免疫疾患の一つで、本来は免疫細胞が悪い菌やウイルスを退治しますが、免疫細胞に異常が起こってしまい自分自身の細胞や関節に攻撃をしてしまう病態です。
関節に攻撃をしてしまうと、滑膜に炎症が生じてしまい、そこから関節液が過剰に産生されてしまい関節水腫が生じてしまいます。
まとめ
今回は関節水腫とその原因について説明させていただきました。
知っているようで知らない方も中にはいらっしゃるかと思いますので絶対に理解しておくべきことだと思います。
こういった腫脹がある状態で無理にストレスをかけすぎるとより悪化してしまう可能性もあるので腫脹・炎症には必ず注意しながら治療を進めていきましょう。
ではでは。