【痛み】中枢性感作について
こんにちわ!
今日は中枢性感作についてです!
長期化している痛みの方で原因組織の状態を改善していく、また原因組織に対しての力学的ストレスを除去していくという治療をしていていざ効果判定をしたときに「変わらない」というのを何回も何回も繰り返してませんか?
私は繰り返した経験があります…
「なんでなんだろう?」
「確実に触った組織は間違っていない、介入したところの状態は変わったのに」
などと考えました。
でもこの考え方はよくないと思っていて
「病態」は見てるけど「患者さん」を見れていない
反省しました。
そんな経験から疼痛リハビリテーションのセミナーに行った際に学んだ中枢性感作についてお話していけたらと思います。
●中枢性感作とは
中枢性感作(CS: Central Sensitization)は、神経系の異常な反応によって引き起こされる疼痛増強状態の一形態です。
通常、神経系は外部からの刺激に適切に反応して痛みや不快感を感じることがありますが、中枢性感作では神経系の過敏性が増し、通常は痛くない刺激や軽度の刺激でも痛みを感じるようになります。
すなわち、本来痛くない刺激が痛みを引き起こすようになり、器質的に説明し得ない症状になります
中枢性感作は慢性的な痛みや関節炎、頭痛などの慢性疼痛との関連が大きいです。
●中枢性感作の原因
中枢性感作の原因として様々ですが主は末梢からの強い侵害刺激の伝達が繰り返されると脊髄後角における2次ニューロンへの伝達が活性化されて中枢性感作、いわゆる可塑的な変化を起こします。
それに加えて痛みによって情動障害なども伴ってくると中枢性感作はより深刻な状態になりやすいと言われてます。
具体的には
・大脳皮質の機能障害(脳の側坐核の機能低下)
・下行性疼痛抑制系の機能低下
・ワインドアップ現象・長期増強
などが主な原因となります。
●中枢性感作の評価
評価ではCSI(Central Sensitization inventory)を行います。
質問紙には、痛み、疲労、睡眠障害、注意力集中の問題、心理社会的な問題など、中枢性感作に関連するさまざまな領域の質問が含まれています。
本来は25つの質問がありますが、短縮版では9つの質問となり利用しやすくなっております。
質問については以下の画像になります。
それぞれを5段階評価で回答していきます
カットオフ値は20点です(感度92.3% 特異度93.3%)
●中枢性感作の促進因子
中枢性感作を促進するものとして
運動恐怖
破局的思考
誤った病識
自己効力感
などがあげられます。
それぞれの促進因子の特徴として
痛みに対する過剰な怖さ・痛みに対する間違った病識などから
不活動・安静
につながりやすいということです。
●中枢性感作への介入
具体的に「これをすれば必ず治る!」というものはありませんが、段階的に介入するべき内容はおさえておきましょう。
介入内容としては
・痛みに対する患者教育(痛みに対する考え方の是正)
・目標設定、運動による身体感覚入力
(CSの方は身体知覚異常やボディイメージの変容がみられやすい)
・適度なストレスの負荷、怖さのある動作への対応
(段階的に怖さのある運動を少しずつ行って慣れさせて痛みを改善)
などが主になります。
徒手的な介入よる原因組織への力学的ストレスの除去よりも、先に患者教育を行って痛みに対する考え方・行動の修正を行うことが大事にだと思います。
●まとめ
今回、中枢性感作について書かせていただきました。
中枢性感作は慢性疼痛との関連性が大きく、長期間痛みに悩んでいる方の中にはいると思います。
慢性疼痛を改善していく治療家・臨床家の方は必ず知っていることだと思うので覚えておきましょう。
ではでは。