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【膝】膝蓋下脂肪体の柔軟性改善

こんにちわ!

今日は膝蓋下脂肪体の柔軟性改善について説明していこうと思います。

膝関節の患者さんを診る上では膝蓋下脂肪体の評価や柔軟性低下は見逃してはいけないです。というのも膝蓋下脂肪体の硬さは膝関節の伸展にも屈曲にも可動域制限の影響を与えてしまうからです。

この記事では、膝蓋下脂肪体についてと硬くなる原因、柔軟性の出し方について簡単に記載しておりますので読んでいただくことによって膝蓋下脂肪体への介入の仕方を理解することができます。
また、すぐに実践することができると思いますのでぜひじっくり読んでください。


●膝蓋下脂肪体について

膝蓋下脂肪体は膝関節の屈伸を効率よく動かす、膝蓋骨をスムーズに動かす役割を持っており、膝の痛みの中でも特に原因として多い組織です。受傷機転がはっきりしていることは少ないですが、どちらかというと外傷なく発症しやすいです。


膝関節周囲の痛みの閾値マップ
園部俊晴の臨床-膝関節-より引用

場所は膝蓋骨の下に広範囲に広がっている組織で伸展位では膝蓋骨の下方だけでなく内側や外側まで広がっていますが、屈曲位になると膝関節内に入り込んでいきます。

そのため膝蓋下脂肪体の圧痛は伸展位では出現しますが、屈曲位では圧痛が消失します。

また、TKAなどの手術では膝蓋下脂肪体への侵襲もありますので術後に線維化が発生しやすいです。


●膝蓋下脂肪体が硬くなる原因

膝蓋下脂肪体は痛みを感じやすい組織と言われており、外傷や繰り返しの機械的刺激によって炎症が続くと線維化して硬くなります。

特に膝関節過外旋アライメントだと膝蓋下脂肪体の移動経路が正常よりも狭くなってしまい、膝蓋下脂肪体への摩擦ストレスが強くなり反復した機械的刺激を受けてしまいます。

また、線維化すると膝蓋骨低位を呈してしまい、膝蓋骨の可動性低下につながってしまいます。

●膝蓋下脂肪体への徒手介入

・膝蓋下脂肪体の内側・外側へのマッサージ

膝蓋下脂肪体の位置

膝蓋下脂肪体の圧痛を確認して特に硬い場所を探し、そこを内側から外側、外側から内側へ徒手的にマッサージしていきます。

膝蓋下脂肪体は前述したように痛みを感じやすい組織なので患者さんの表情や様子を伺いながら行っていきましょう。



・膝蓋骨の上下モビライゼーション

膝蓋下脂肪体は膝蓋骨の裏面にあり、膝蓋腱に付着しています。
そのため、膝蓋骨の上下のモビライゼーションをすることで膝蓋下脂肪体も一緒に動くのでそれによって膝蓋下脂肪体の柔軟性の獲得を図ります。


膝蓋骨を上下にモビライゼーション

●膝蓋下脂肪体に対するエクササイズ

・膝蓋骨の上方移動を誘導しながらセッティング

園部俊晴の臨床-膝関節-より画像引用

これは動きの痛みラボを運営している園部先生の著書から知ったエクササイズです。

膝蓋下脂肪体は先ほど説明したように膝蓋骨の裏に位置しているので、セッティングでの自動運動によって膝蓋骨を動かすことによって柔軟性の改善を図ります。特に膝蓋下脂肪体が線維化や癒着を起こしていると、膝蓋骨の低位を呈していることが多いのでセッティングをする際には画像のように徒手的に膝蓋骨を上に引き上げます。

可能であればそのまま患者さんにセルフエクササイズとして指導を進めます。

・膝蓋骨の上方移動を誘導しながら座位膝屈伸運動

徒手的にセラピストが、または患者さん自身が膝蓋骨を徒手的に上に持ちあげた状態で膝の屈伸運動を行うことで膝蓋下脂肪体の柔軟性の改善を図ります。

座位でも長座位でもやりやすいやり方で大丈夫です。


●まとめ

今回は膝蓋下脂肪体の柔軟性の改善について説明させていただきました。

私の今までの臨床でも膝の痛みで来られている方の多くは膝蓋下脂肪体の痛みや柔軟性の低下を伴っていることが多い印象です。

膝の患者さんを診る上では絶対に見逃せない組織になってくると思いますのでしっかりと見逃さないように評価をして、必要性があれば治療していきましょう。


ではでは。

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