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ビオトープ、集中豪雨のビフォーアフター
キクモやコウホネの水中葉が育ってきたビオトープに、このエリアでは見慣れぬ影を確認する。
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トロ舟の縁を歩いていたのはオオヒラタシデムシの幼虫。
最近は実家の庭を歩く機会も減ってしまったために集中して生息しているエリアに足を踏み入れていなかった。
この地では久々にその姿を見る。
その場所からそれなりに離れたビオトープまで歩いて来たのは少し意外だった。
本種は典型的なスカベンジャーで、よく道端のミミズの死骸を食べている姿を観察できる最普通種だが、そもそも生態としてある程度ミミズに依存しているらしい。
隣接するトロ舟ではヌマガエル幼体の姿を確認。
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そして観察を終えて帰ろうとすると、突然の集中豪雨が発生。
雨が上がる頃にはビオトープもすっかり泥濁りしてしまった。
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いくらエコトーンの植物が茂ったとはいえ、強く打ち付けるような豪雨が降ると陸地の泥が崩れて泥濁りが起きてしまう。
ただし、水量の多い特大深型トロ舟の表層で起きた濁りはすぐに沈殿し収まる印象だ。
いつも1.2日程度で通常の透明度に戻っている。
そして夏場は高温と日差しによって植物プランクトンが急増するので止水は青水として緑色に濁りがちだが、陸地と接続するエコトーンや水中に茂った植物が多いと養分と光を奪われてしまうためか、青水の発生そのものが起こりにくい。
条件次第ではアオミドロの発生すら抑制される場合がある。
これこそがビオトープにエコトーンを作る事が推奨される理由の一つなのだろう。
次回