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クマスズムシ
10月下旬、庭のアスファルト上をクマスズムシが歩いていた。
毎年のようにビオトープ周辺で見かける常連の虫だ。
クマの名を冠する虫は基本的に和名の基となった種よりも大きいようなイメージがあるが、本種はスズムシと比べて一回り以上小さい。
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鳴くための翅を持たず、ずんぐりとした体型の♀という事もあってか、見た目から感じる印象はスズムシというよりコオロギ寄り。
しかし通常のコオロギやスズムシのような土中産卵とは異なり、本種は枯れ草の茎などを齧り穴を開け、その中に産卵管を挿し込んで卵を産むそうだ。
スズムシの名を持ち、コオロギのような風貌で、マツムシの産卵方法を用いる。
一見すると地味に見える本種だが、こうした事を知ると興味深さが増してくる。
ちなみに、♂は和名の通りにスズムシに似た翅を持つ。
由来はこちらによるものなのだろう。