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準絶滅危惧種イチョウウキゴケに覆われたトロ舟ビオトープ
昨年に庭で発生したヒメゲンゴロウ幼虫の避難場所として設置したトロ舟ビオトープ。
ここをしばらく見ていないうちに水面のほとんどが私有休耕田産のイチョウウキゴケで覆われていた。
改めて画像を見比べると、一年と経たずにここまで増殖したのかと驚愕する。
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大半が休眠中。
一部が青さを保っている。
本種は全国的に減少傾向にある準絶滅危惧種だが、それぞれの株が分裂を行い鼠算式に増えるため、トロ舟ビオトープのような水量が限られる環境ではあっという間に水面を埋め尽くしてしまう。
こうなると水面から取り入れる酸素量が激減するため、メダカなどの魚類は繁栄し難くなる。
イチョウウキゴケの適度な間引きが必須だろう。
上記のビオトープにはメダカを入れていなかったから良かったものの、もしも入れていた場合はそのほとんどが夏季に死んでしまっていたのではないだろうか。
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半分ほど覆うイチョウウキゴケ
本種は苔の類であるためか昆虫に食べられる機会も比較的少なく、水面を覆うアオウキクサが全てマダラミズメイガ幼虫に食べ尽くされる事があってもイチョウウキゴケだけは綺麗に手を付けられていないというシーンをしばしば目撃する。
さらには冬季に凍結し完全に枯死してしまっているように見えても、次の春を迎える頃には休眠から覚めて完全に復活をするため、ほぼ全ての株が再び鼠算を開始してしまう。
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個人的な感覚として、イチョウウキゴケは水面積の10分の1ほどに増殖する頃には間引きや別容器への移動を開始してしまっても良いと考えている。
しかしこのビオトープの本種は私有休耕田から復活させた個体群という事もあり、ただ処分するというのはあまりにも忍びない。
一応まだ実験途中のアイデアではあるが、「渇水時に陸生形態へ変化する」という本種の生態に着目して、ビオトープのエコトーンを彩る陸苔として利用する事を検討中だ。
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その場合は降雨時に再度水面に流れ出てしまう水際スレスレよりも、さらに陸地に寄せたエリアに植える事が推奨されるだろうか。
・過去の同一ビオトープの様子