色を変えたあなた、壊れきった私を見て。バンド春の花の歌3選
春といっても関東の方は夏日ですっかり初夏。もうセミ鳴いてるって井口理も言ってた。暑くなるのが早いにも程がある。
北海道は先週チューリップ畑が見頃を迎えた。
ワンテンポ遅い春も、そろそろ終わり。
1年の中で一番カラフルな季節なのに、それに反するように切ない歌がたくさん生み出される時期でもある。清水依与吏も「春は悲しい季節です」と語っている。まあback numberの価値観だったらそうなるよな。春は花びらのように腕をすり抜けるんだから。幸せは長くは続かないってことなのか。それでも忘れたくなくて何度も何度も巻き戻している皆さん元気ですか?
私は今年の春、人生で1番充実してたなと思える時間を過ごした。宮城県の春フェスアラバキに初めて北海道から行った。悲しいことがあってから復活を遂げたsumika、尖ったエレカシ、フジファブリックをバックバンドに奥田民生と後藤正文が歌う豪華と言うには足りない迫力のコラボステージを見た。
今年撮った花の写真とともに、バンド好きが選ぶ春の花の歌を紹介します。
桜の詩 KANA-BOON
チューリップ indigo la End
春は溶けて indigo la End
番外編
春夏秋冬 sumika
君という花 ASIAN KUNG-FU GENERATION
春の歌 スピッツ
始まりの朝 Official髭男dism
栞 クリープハイプ
愛の花 あいみょん
桜
まずは数知れずの名曲のタイトルとなったこの花。
ちなみに北海道で満開時期にレジャーシートを敷いて花見をすると寒いです。風邪引きます。
写真撮った日も冬コートがちょうどよかった。
桜の詩 KANA-BOON
TikTokでサクラノウタが大バズり中。KANA-BOON桜ソング3曲の中で一番のお気に入り。
男子生徒と先生の切ない恋物語がMVのテーマ。サムネの紺野彩夏みたいな国語の先生いたら絶対モテるって。ちなみに彼女は私よりも年下です。
この曲と対となるのが生徒目線で素直で真っ直ぐな気持ちをぶつけるような歌詞のさくらのうた。桜の詩は女性目線のどこか大人びた歌詞。
昔、初めて付き合った年上の恋人と別れる時に「子供っぽいなと思ってしまう」と言われた。まるっきり歌と状況逆じゃないか?その年に私は20歳になった。大人というものを意識し始めた時から、年を重ねるたびに、○歳って昔はもっと大人だと思ってたと考える。付き合っていた当時の元恋人の年齢よりもすっかり上になって、今年25になる今でもそれは同じ。昼寝するときは今の恋人に寝かしつけしてもらってます、、
私はわがままなのだ。休みが合う日はなるべく私と過ごしてほしいし、お互いにとって一番大切なのは恋人との時間でありたい。時々車でどこかに連れて行って。でも運転は彼氏でお願いしたいです。叶わないことがあっても平気なフリなんてできない。いつまで経ってもそうだ。
元恋人は大学のボランティアサークルの役員をやっていて、私が新入生で入った頃に知り合った。相手はそれ以外にももう一つ別の団体に入っていて、課外活動に精力的な人だった。向こうが大学4年になる年の3月、1つ上の代の卒業イベントが重なり会えない日が続いた。
私はもっとデートしてほしい、不満だとゴネた。そしたらこう返って来た。
「お世話になった先輩だから最後は送り出したいの。そこを我慢できないんなら、俺と付き合うのは無理だよ」
今思えば束縛してたな。遠方に行くボランティアも行かないでほしいとか卒業イベントの方が大事なのとか言ってたし。制限して苦しめてたキツイ女だった。相手がそれから逃げ出すような形で終わりを迎えた。
ただ、元恋人はその後就職で地元北海道を出たらしい。地元を離れてでもしたい仕事ができたんだろう。目標を持って何かにストイックに打ち込みたい人だったから。だけど私はずっと札幌にいてゆったりのびのびと暮らしたい。それにお互いの中で会わないと駄目な頻度にもずれがあった。
結局のところ、大事にしたいものの価値観が違っていた。遅かれ早かれ、離れる運命だった。この曲のMVのように、一度離れてもまた再会、なんてことは起こらなかった。
※この相手とは決定的なドロドロしたことが一番大きな原因になって別れましたが、今回は省略します。気になる人は最後の失恋関連記事を見てみてください。
別れて5年が経ち、現在の恋人とは付き合って今年で2年になる今も会いたがりなところは変わらない。
変わったのは相手の反応だけ。今は「職場の付き合いの最中でも友達と会ってても、今ことはどうしてるかなって考えちゃう。こととの時間が一番楽しい」と言ってくれる人がいる。
社会人になった今、週1ペースで会えている。学生の頃は毎日!なんて思ってたけどお互い仕事をしてる今はこのくらいがちょうどいい。社会人になると平日は家で休まないとだめだね。頻度にも満足しているので、彼がたまに(ほんとうにたまに。今年で付き合って2年になるうちたった1回)友達と会うときも束縛しなくなった。半年に一回彼が地元東京に帰省する時も不満なく送り出せる。
「お互いにとって一番大切なものは恋人の時間」という価値観が合った人を見つけられた今は、理想を叶えられたなと思っている。
チューリップ
滝野すずらん丘陵公園のチューリップ畑、めちゃくちゃ綺麗でした。
チューリップ indigo la End
チューリップをこれほど悲しく表現する歌は今まであっただろうか。
日々の幸せは赤かったのに、それが段々と失われていくのを白くなると歌う川谷絵音の言葉遣いが秀逸。
MVでも歌詞の字の色が最初は赤だったのに、2番ではピンク、終盤で白になるところとか凝ってる。短編映画のようなストーリー。
恋人と過ごす日常は生活すべてに色が付けられるみたいだし、別れを告げられたことで簡単にその色を変えてしまうのもまた相手。今までの幸せは嘘だったんでしょうか。失恋すると世界のすべてから色が消えたみたいになるよね。見えてる景色が一変する。
「雲行きはずっとわかってたけど一縷の光に期待してたの」
「私にはもうどうにもできないからあなたの袖をつかむことくらいしかできない」
終わりを受け入れられない歌詞もものすごく刺さる。分かる。相手は世界のすべてだったんだもん。それくらいまだ続きがあるって思うと簡単には捨てられないよね。
でも、そんな風に色を奪う人はあなたのことを幸せにできない人だったんだよ。365日ずっと仲良しなカップルなんていないけど、本当に必要な人なら別れそうになっても一緒にいる方を選ぶから。
自分の世界を白く染めた人を追わなくたっていいんだよ。
2人がずっと幸せでいるために、どうするかを考えてくれて、深く愛してくれる人もいるから。
いつかそんな人に出会えるまで、待っていればいい。
元恋人と別れたばかりの頃の自分にはそう教えてあげたい。それから3年後、今の恋人と出会った。
絶望的で辛い別れを乗り越えて、過去以上の幸せを掴む日は来る。そしてそんな人はたくさんいる。私もそのひとりだから。
椿
北海道では椿は松前とか南の方でしか咲かないのですが、他県に旅行した時にたくさん見かけました。
春は溶けて indigo la End
またindigoの歌ですみません。
でもほんとにいい曲書くんだもん。
2021年のFM802のテーマソングを作るのが川谷絵音に決まったと知った時、めちゃくちゃに嬉しかった。
だってさ、2016年1月に色々あって、好感度的にスポンサーを任されるのは難しかった時期があるじゃないですか。
それが活動自粛を経て少しずつTVに出たりCMソングのタイアップもやって、ついに絵音さんが今をときめくバンドマンたちが歌う曲を手がけることになった。
素晴らしいね。もう展開がドラマじゃないですか。
ちなみに同じ21年に例の報道のお相手に対する歌を出しました。詳しく知りたい方は最後に載せてるindigo la Endの失恋ソングの記事を見てみてね。
こんな自己肯定感上がる歌詞を書いたのもびっくり。チューリップみたいにどこまでも哀愁が深くて影のある曲が代名詞だったindigoが、前向きに励ましてくれるなんて。
新生活って慣れないうちは息が詰まる。知らず知らずのうちに疲れが溜まって今が一番しんどい時期だよね。
だけどそんな時はこの歌詞のとおり、
1回立ち止まって深呼吸。それができるあなたは偉い。
卒業とか引っ越しとかを機に今までのように気軽に会いにいけなくなったり、話すのが難しくなったりして疎遠になる人が出てくるのはどうしても仕方がない。
SNSで繋がらないとなかなか近況が分からなくなった現代。学校とか職場とか、自然な出会いで知り合って仲良くなった人でも離れることになると、ネットでの繋がりがないとどうしてもそわそわしてしまうようになってしまった。
新卒で入社した職場で、一番年齢が近くて仲良くしてくれた同僚の先輩社員がいた。
彼はある日突然退職することになった。周りもなんの予兆も無かったことに驚いていた。最後の挨拶さえできなかったのが本当に残念で寂しかった。
今彼がどうしているかは知らない。新しい仕事に就けたのかどうかは分からない。
それでも、距離の近い存在として楽しく仕事をさせてもらえて、社会の荒波に揉まれる私の記憶を彩ってくれた。そのことをずっと忘れない。それだけでいい。例え二度と会えなかったとしても、どこかで生きていてくれればそれでいい。
次のステージに行くために変わってしまうけれど、変わることは悪いことではない。
そのことを「椿は色づいて距離を取る」と表す絵音さんのセンスは、きっと誰にも真似出来ない。
春の歌番外編
ここで切ないものから前向きなものまで、私の好きな春や季節に関する歌を寄せ集めました。
春夏秋冬 sumika
フラレた側って何にも言葉がまとまらないまま置き去りにされるんだよね、、sumikaの兄貴分的存在back numberパイセンも「積み上げた物も全部置き去りで行ってしまえるんだね」と言ってるし。私も前の恋人とはこれからたくさんの季節を一緒に過ごしたいと思ってたのに実際一緒にいれたのは秋と冬だけでした。桜の予報も虚しく心に大雨が降りました。
だけど4年後、For.のアルバム曲のフレアでは「春夏秋冬も君だけが好きなんだよ」と歌ってる。今の恋人と一緒に聴いたことで、お互いへの愛情がより深さを増しました。
君という花
ASIAN KUNG-FU GENERATION
アジカン往年の名曲。
イントロのギターにぶん殴られる。歌詞は切ないけどじめじめ、どんよりではなくロックに仕上げてるのがアジカンらしい。
一番最初に書いたアラバキのコラボステージで弾いたのがこの曲だった。フジファブリックのサウンドで聴けたのが最高だった。若い声のゴッチもいいけど、今のゴッチの声の方が味があって私は好きです。
春の歌 スピッツ
天下のスピッツ様で一番好きな曲。
個人的に始まりの季節である春はかなり気分がハイになってることが多い。それに拍車をかけるのがこの歌。これを聴いて通学、通勤すると無敵になれる。地元北海道のライジングに出てくれる日を楽しみにしてます。
始まりの朝 Official髭男dism
通勤中、なんだか気だるい時はこの曲に背中を押してもらうことにしている。簡単そうに歌ってるけど実は男が歌うにはあまりにもキツいハイトーンで「冬の怠惰を振り切って」なんて言われたら途端に背筋が伸びる。一番好きなバンドのボーカル藤原聡に恥じない自分でいたいですっ。
栞 クリープハイプ
indigo然り、FM802テーマソングって後ろ向きだったバンドを前向きにさせる力があるんでしょうか?クリープは「バイト先のクソが」とか暴言を吐くように歌い、「1年前に出たはずの実家には週に1度は帰ってるらしい笑っちゃうねそれ」とか目を背けたくなる、情けない現実ばかりを曲にしてきた。そんな尾崎世界観がこんな歌詞を書いた。
クリープを聴いて前向きになったことなんてこの曲が出るまでは一度もなかった。ずっと暗い気分に浸りたい時御用達だった。栞は私が通勤中に聴いて気分をあげたい曲を集めたプレイリストに入っている。すごいよ。この曲をきっかけにクリープの音楽の路線が毒々しいものから穏やかな方向に変わった。と思う。栞が入ったアルバムには日々のささやかな幸せを歌った曲がいくつか収録された。そんなアルバムのタイトルは「泣きたくなるほど嬉しい日々に」
愛の花 あいみょん
最後はあいみょんの最新シングル。
朝ドラらんまん主題歌。朝ドラファンの私は毎朝うきうきるんるんで見ています。
このあたりがストーリーにすごいリンクするんだよね。万太郎は幼い頃に母を亡くしていて、母が好きだと言っていた花を見つけ、死ぬ間際の母に見せるために摘んできたけど結局違うものだった。それでこの花の名前が知りたくて植物学者になる。という話。愛しかないよこんなの。
あいみょんは候補を何曲も作っていただけあって最高の1曲を生み出した。
この命ある限り、愛すべき人、毎日を大切に生きていきたい。
そんな風に思わせてくれる曲だ。
春は切ない曲ばかりなんて最初に言ったけど、
なんだかんだで日々の愛おしさを教えてくれる曲もたくさんあるね。
失恋を慰め、1日の始まりを明るく幕を上げ、
愛する日常を彩る曲とともにこれからも生きていきたい。
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