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ともり あや
2024年11月9日 22:33
7℃の外。外はこんなにも寒いのに、お風呂から上がったばかりの私からは白い湯気がもくもくとあがる。これが生命か、と感心する。ほかほかの私の髪は、待ってましたと言わんばかりに外のひんやりとした空気をその1本1本に含ませた。髪の毛を、内側から掬いたなびかせたり指に巻きつけたり、手櫛で弄んだり、そうしているうちに髪は外気を吸い込み、先ほどまでの人肌を容易に失う。髪の毛はやはり死