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ポートフォリオが好きすぎて、ギャラリーサイト『GOOD PORTFOLIO』を作ってしまいました
Webでクリエイティブな皆々さま、どうもこんにちは。ポートフォリオを愛してやまない男とか、ポートフォリオ収集家とか、ポートフォリオの妖怪とか散々な言われようのトムです。
今回は、ポートフォリオが好きすぎてギャラリーサイトを作ったと報告したいだけなのに、あろうことか7,524字も書き殴ってしまったというnoteです。(ポートフォリオについて一人でひたすら考え続ける苦行アドベントという企画の6日目の投稿でもあります)それではご覧ください👋
『GOOD PORTFOLIO』を強い気持ちで解き放つ
2024年12月18日(水)吉日と思いきや、まさかの仏滅。それに気付いたのは2日前の16日。少しだけ、ほんの少しだけ気持ちが揺らいだが、とある理由がありこの日を公開日と決めていたので、強い気持ちで解き放とうと思う。今日から『GOOD PORTFOLIO』が始まります。
▼Webサイト
▼SNS
公式𝕏 GOOD PORTFOLIO
運営担当者𝕏 在野のトム
▼クレジット
企画・原稿・愛:トム・イシカワ
アートディレクション:NEWTOWN 犬飼さん
デザイン:NEWTOWN 中川さん
Studio実装:NEWTOWN 犬飼さん・NEWTOWN中川さん
アイコンイラスト:イーゴンさん
NEWTOWN全面ご支援のもと、トムの無茶・無謀・無理を見事に捌いていただき、スーパーCuteでウルトラCawaiiギャラリーサイトが完成した。ぎゅんぎゅんにかわいいGPイエローに、魂のこもったポートフォリオだけが格式高く居並ぶこの光景。あぁ恍惚なり。
始まりはクリエイターをリスペクトする気持ちから
錚々たるレジェンドたちが運営する愛すべきギャラリーサイトがある中で、なぜポートフォリオというニッチすぎるギャラリーサイトを作ってしまったのか。これらを説明するに足る背景と他者に貢献したいという考えはもちろんあるが、一言で表現するのであれば、
「心からリスペクトしているから」
やはりこれに尽きる。トム・イシカワこと石川智規はウェブスタッフ株式会社に新卒から18年ほど所属(先日公開されたnormalizeFMでもお話しした)し、主にデジタルクリエイティブに関わる企業の採用支援や個人のキャリア支援を生業にしている。私のキャリアの大半は企業サイドに向き合ってきたので、当然ながら採用シーンで求められるポートフォリオの存在は認識していた。ただ、それは実績や能力を証明するただの箱であり、機能の一つといった具合の認識だった。
それが、数年前のとある出来事から個人サイドに向き合い始め、キャリア支援の領域に足を踏み入れた瞬間から、ただの機能であったそれが、とんでもなく崇高で、愛すべき存在としての認知に変わっていった。崇高というと大袈裟かもしれないが、クリエイターのキャリア支援をしているとはいえ実際に手を動かしてものづくりをしない私にとっては、本当に眩しく見えたのだ。履歴書や職務経歴書ではどうやったって表現できない、個人の生き様やクリエイティブに向ける矜持が、確かにそこにあった。
それからというもの、「ええなぁ…🤤」と思うポートフォリオに出会うたび、忘れたくない・いつかまた見たいという一心で手元のスプシに貯めていく日々が始まった。作成日は2022年12月9日となっている。ちょうど2年前の話だ。
抗えない「自分も作りたい」という気持ち
衝動を抑えられない性質なので、通常業務である採用支援やキャリア支援に加え、全国の制作会社行脚にオンライン採用イベントにとあるクリエイティブメディアとの業務提携にSigma fpという愛すべきカメラに、と自らの首を絞めまくる日々を送る中で出会う素晴らしいクリエイターと魂のこもったポートフォリオ。これまたリスペクトしてやまない多くのギャラリーサイトを徘徊する中で、ムクムクと湧き上がる感情。
ーーー自分もこんなサイト作ってみたい。
ここで20年以上前の学生時代に遡る。インターネッツが好きすぎる暇人大学生のトムは、独学でHTMLやCSSを学び、PhotoshopやIllustratorをとある方法で手に入れ(みなまで聞かないでほしい)、当時流行り始めていたWebブログを構築して遊んだり、Webメディアっぽいものを作って遊んでいた。大学では広告やマーケティングを学んでいたこともあり、ものは試しにということで、これまた当時流行り始めていたアフィリエイト広告を始めたところ、これが少しだけ跳ねた。細々と運営していた超ニッチメディアだったものが、今は亡き懐かしのYahoo! JAPAN ディレクトリ型検索に掲載されたその瞬間からPVやUUが20倍以上に跳ね上がり、広告料も十数万になり、運営管理者としててんやわんやの日々だったが、とても楽しかったことを今でも鮮明に覚えている。
そんな昔のことを思い出しつつも慌ただしい日々に埋没していたわけだが、𝕏で仲良くさせてもらっている安田さんが念願のメディア「あちこち」を立ち上げていたり、新卒からずっと1社目で働いてる兄弟分のナガサキさんが休むをテーマにした休息デザインプロジェクトなるものを立ち上げているのを目にするたび、「自分もいつか・・」という気持ちになっていたことを今ここに初めて告白する。
実は、よこしまな気持ちもあった
場面は変わり、今年の2024年2月8日。
私の頭と心に痛恨の記憶として深く刻み込まれている出来事。そう、STUDIO DESIGN AWARD2023だ。
年始の挨拶回りのスケジュールがぽっかり空き、表彰式ぴったりの時間に、ばったりと原宿にいたもんだから、もうこれは突撃しかないと。神の啓示だなと。勇ましい足取りでLIFORK原宿に行く私。ドヤ顔で受付のご担当者様に絶対の自信を持って切り出す私。
「あ、あのぅ… 知人が表彰されてまして… えっと、入れてもらえませんか…🥹⁇」
「申し訳ありません、ご招待の関係者様のみご入場いただけますので」
「…ですよね😢」
綺麗に散り、見事に玉砕する恥ずかしい不惑越えの男。ご担当者様にも迷惑かけちゃうしな…と思ってそれ以上ネゴれないチキンハートな男。誰か偶然出て来て「あートムさん!」てな会話をしながら潜り込めないか、そんなワンチャンを狙う続けるも表彰真っ最中なもんだからついぞ誰も出てこず一人佇む怪しい男。そこで俺は、復讐(?)を誓ったんだ。
ーーー来年は、Studioでなんか作って、招待される側になる。
ありがとう #STUDIOデザインアワード !さようなら #STUDIOデザインアワード !!
— トム・イシカワ(石川 智規)|WEBSTAFF, Inc. (@tomonorix0805) February 8, 2024
表彰式に何食わぬ顔して入ろうとして弾かれて泣きながら撮ってきたディスプレイ。装飾とかばちくそかっこよかった。来年は会場に呼んでいただけるように今年もデザイナーズのために死ぬ気で頑張ろうと心に誓いました❤️🔥 pic.twitter.com/LaLph9sRkP
迸る情熱を持て余す日々、拾ってもらった一つのポスト
そんなこんなでよこしまな気持ちで立てた誓いは、日々の喧騒に飲まれていくも、3月頃、ひょんなきっかけから元NEWTOWNのゆうごさんとのディスカッションに繋がり、一方的に話をいろいろと聞いてもらった。結果的にお互いのタイミングが合わず、実際に作るという展開には至らなかったが、Studioで出来ること・出来ないことがわかり、間違いなく私の思考と想いを前進させてくれた大変貴重な機会だった。
それからというものキャリア支援のお仕事に、イーゴンお前もかのおばあちゃん企画にと、めちゃめちゃに忙しぶる雑魚いビジネスパーソン風の日々を過ごし、時はすぎ早半年。ポートフォリオを見るたびに思い出すギャラリーサイト構想。波のように寄せては返すこの気持ち、あぁ、これが恋なんだ…、という感じのお気持ちポスト(ポストを見つけられなかった)に神は舞い降りた。
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ただ、この時点で既に9月。私の「Studioでなにか作って、表彰式にお呼ばれするんだ・・」というよこしまなお気持ちは鳴りを潜め「さすがにこのタイミングからは無理っすよね・・」とひよっていたが犬飼さんは違った。
「出しましょう!STUDIO DESIGN AWARD2024!!」
「一生ついていきます、兄さん (´;ω;`)ウッ!!!」
ここからが早かった。私の妄想モリモリなNotionを共有し、出来る・出来ないが峻別され、クイックなMTGでは余計な話は一切せずにストレートに議題に向き合い、中川さんがタスクとスケジュールをバチバチに決めてくれる日々。案の定、ぴえんぴえん泣きながら言い訳しつつ〆切を伸ばしまくる私。なんて不義理な奴なんだ。
犬飼さんの大アートディレクションと中川さんのデザイン&推進力であれよあれよという間に、CMSが完成し、デザインが完成し、データが流し込まれ、本日の公開に至っている。
(このnoteを執筆している公開前夜の2時過ぎもまだ実はDB登録が残りまくっている。待っててねパトラッシュ、じゃなくてポートフォリオ。いますぐそっちに行くからさ・・・ でももう無理かもしれない。)
「クリエイターのためになるサイト」を目指す
初期に書き殴った粗い内容になるが、このサイトの目的とあるべき姿を以下のように定めていた。
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要するに「クリエイターのためになるサイト」を目指すということだ。この粗々な想いはGOOD PORTFOLIOのこんな序文へと昇華された。
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動きや華美な装飾は最小限にとどめ、淡々とクリエイターの証を紹介するサイトにしたかった(これでもかと目に飛び込んでくるGPイエローの茶目っ気はどうか許してほしい)。ロゴのGOODが伸びるのは、私がいいものに出会った時、よく「うぉぉぉぉおおおお!」「すげぇぇぇええええ!」とか書き殴っていたこと、そして、「めっちゃいい!」という気持ちを表現したかったことから、ただの「GOOD」ではなく、たくさんの「O」を追加した「GOOOOOOOOD」として、感動にうち震えた気持ちを表したかった。
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また、ポートフォリオだけではなく、ご本人が公開されているSNSを私が観測できる範囲で載せている。ポートフォリオはある時点で創り上げた結果でしかない。ただ、結果には当然ながらそこに至るまでの過程がある。喜怒哀楽・悲喜こもごな感情が交錯するクリエイターの人生があり、ポートフォリオという表現に到達しているはずだ。作り手の日々の思索や創作のタネが溢れるSNSを載せることで、多面的に1人のクリエイターを紹介したい、そんな思いをもって実装した。
※ただし、公開情報ではあるものの、賛否はあるかもしれないとも認識している。非公開で運用されているものはなるべく外したが、リリース後の反応やご報告いただく内容如何によっては削除する可能性はある。
育てながら、長く、愛されるサイトにしたい
互いに多忙を極め、通常業務をこなしながらの3か月ではあったので、GPは正直これから育てていくものだと思っている。
追記:2024/12/21
本note公開時点では頭文字を取った「GP」というなんともイケすかしてる呼称になるだろうという予測があった。いや、する意志があった。しかしながら、そんな想いは見事に打ち砕かれ、「グッポー」という絶妙にダサかわいい呼称に落ち着きつつある。名づけ親?そんなのMEFILASの藤原さんに決まってるだろう。グッポーが生み出された瞬間。
その筆頭は、登録ポートフォリオの量だ。現時点では70サイト弱しか掲載できておらず、少し詳しい人なら「ハイハイ知ってる知ってる👀」となるメジャー級のポートフォリオたちだろう。ただ、私の手元のスプシには優に300を超えるグッドなポートフォリオたちがエンジン全開で控えているため、土日と年末年始を使って+100くらいは年内中に頑張りたい。頑張りたいと言っているだけでやるとは言ってない。やるといったことの半分くらいしか結果的にやらないタイプなので、たぶん+50くらいなんだろう。先に謝っておく、ごめんなさい。
次に、登録ポートフォリオの質だ。質と言ったら語弊があるかもしれないが、公開時点では未経験者~経験浅めなジュニアクリエイターたちのグッドなポートフォリオは掲載されていない。別建てにすべきか同じ場に載せてもいいものか・・と未だ結論が出ず、実装と登録自体を留保している。つい先週までは「未経験者のものは分けられるべき」なんて思っていたが、今の正直なお気持ちとしては「経験の多寡によって棲み分けられるべきではなく、その人らしさが溢れたグッドだと思えたポートフォリオは、同じ場に居並ぶほうが面白いのでは・・?」のほうに傾いている。とかいいながら GOOD PORTFOLIO FOR BEGINNERS とかまるで別のサイトを爆誕させてたらそれはそれでごめんなさい。
追記:2024/12/21
12/20にiDID主催の師走忘年会に訪れた際、クオートワークスのムラマツさんと話し、「テメェがジュニア向けをやらんでどうすんじゃい!それでトップ取りにいかんかい!!(意訳)」と最高の言葉でぶん殴られた。これがむーちゃんだ。来年絶対やる。待ってろこんにゃろう。愛してるぜ!
あとは、表示速度の改善、絞り込みや検索性の向上、下層ページの調整・・などなど気になるところは数多存在しているものの、まずは今日という特別な日にリリースすることを優先し、諸々は来年以降の楽しみにしながら、ゆっくりと、しっかりとクリエイターのためになる、愛されるサイトに育てていきたいと思っている。
運営方針について、が語れるほど決まってはいない
勢いで「運営方針について」という大見出しをつくってしまったが、ほぼ決まっていない。田渕さんがS5-Styleを驚異的に安定したペースで平日の毎日更新を維持し続けていることを知っているし、間部さんがBrilliant Design Collect を土日AMにしこしこ更新していることも知っているし、他のギャラリーサイト運営の方々にもそれぞれのルーティーンがあるのを知っている(なぜなら通知を全部飛ばしているからだ)。
ところがどっこい、じゃあGPはこうしよう、とはたぶんならない。とても衝動的で、怠惰な人間だとわかっているから。あえてルーティーンは作らずに、ウォォスゲェェと吼えた深夜に、ひっそりと2~3件ずつくらい追加していくんだと思う。そこはよしなに、グッドに溢れた気持ちに流されるままにいきたい。
あ、そうだ。冒頭に書いておいてまったく説明をしていなかったが、当サイトの更新情報は主に公式𝕏で行い、その更新はNEWTOWN所属の在野のトム氏に一任している。トム・イシカワとたまたま同じトムという名前で、たまたま同じチャーミングな坊主頭のナイスガイだ。NEWTOWNの所属クリエイターとして色々と個人の活動をしているらしい。肩書はキュレーターとのこと。グッドなものをキュレーションして、届けていくという建付けのようだが、正直その挙動はまだよく理解できてない。NEWTOWNの所属クリエイターであるイーゴン氏の後輩にあたる。面識は未だにない。
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GP公式𝕏と合わせて、運営担当である在野のトム𝕏をぜひフォローしてあげてほしい。トム・イシカワに「在野のトムをフォローしたよ!」と声をかけてくれれば、GPイエローが映える名刺をお渡ししたいと思ってる(限定100枚)。なぜかトム・イシカワが代理で持ち歩いているみたいだ。代理で。
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公式𝕏 GOOD PORTFOLIO
運営担当者𝕏 在野のトム
たまに勢い余って、別のアカウント主っぽいポストを誤爆してソッ消しするムーヴが見られるかもしれないが、その時はニヤニヤしながら見なかったことするのが大人の振る舞いってやつだ。
ちなみにNEWTOWNではアシスタントデザイナーを募集中とのこと。我こそは、という方はぜひ応募をしてみてほしい。
感謝したい人たちに真正面から感謝を述べる
まずは、直接・間接問わず、オフライン・オンラインで仲良くさせてもらっている多くの皆さんに、感謝したい。皆さんが面白がって付き合ってくださっていたからこそ、ここまでやりきれたし、これからもやれる。
つぎに、掲載・非掲載に関わらず、世の中を彩ろうと日々努力を続けているクリエイターの皆さんにも感謝を届けたい。皆さんの努力の結晶であるポートフォリオは本当に素晴らしいものだと心から思っている。機能と情緒が詰まりまくった世界でたった一つしかないオリジナルな箱を、これからも一番近くの特等席でたくさん見ていきたい。
また、ギャラリーサイト運営者の皆さんにも感謝だ。上げればきりがないが、S5-Style、MUUUUU.ORG、81-web.com、I/O 3000、Web Design Clip、MARP、SANKOU!、Brilliant Design Collect、WEBGRAPH ・・・皆さんの幾年の積み重ねがあったからこそ「ポートフォリオに特化したギャラリーサイトを作りたい」という私なりのWillに辿り着けたと思っている。
最後はなんといっても、私の初期の壁打ちに付き合ってくださったゆうごさん、そして、犬飼さん、中川さんに大大大感謝だ。初回のふり幅のあるアイデア出しにシャープな方向性の絞り込み、スピーディで漏れのない進行に、主に犬飼さんから差し込まれる「こんなの思いついちゃったんだけど、どう?」というプレイフルな提案。そのどれもが楽しかったし、すごく大きな学びとなっている。最終盤の「これで一通り終わりましたね!」から「あ、ここが気になっちゃって・・」と何度も言いまくった私をどうか許してもらいたい。そして、これからのGPの成長にどうかお付き合いください、という気持ちを全力でお届けしつつ、そろそろこのあたりでおわりにしておこうと思う。はっきり言って書きすぎだと思う。
そんなこんなでリリースノートならぬリリースnoteはおしまい。GOOD PORTFOLIOが1人でも多くのクリエイターのためになりますように。
P.S.
あ、そうそう、今日12月18日はお手伝いいただいた中川さんのお誕生日だそうだ。こんなん絶対間に合うわけねえじゃんとついさっきまで泣いていたけど、なんとかnoteを書き終えたよ。お誕生日おめでとう。そして、GOOD PORTFOLIOをデザインしてくれて本当にありがとう。来週からは別の道を歩むと聞きました。中川さんのその覚悟、いつまでも応援しています。たまに、GP見に来てね。いつかまたどこかで👋