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「TOMO旅行記」 〜イタリアミラノ編🇮🇹〜

旅に出たい。

こんな時に言っても仕方ないことはわかっているのだけれど、無性に旅がしたい。
本格的にうちで過ごすようになってから2週間、おうち時間に慣れてくる反面、今までできていたことが懐かしく、恋しい。

せめてあの時の気分を思い出して、旅の気分に浸りたい。

ということで、「朋の旅行記🌏」を始めようと思います。

書きながら、読みながら、一緒に旅に出ませんか?

Bon voyage!

16歳、初めての一人旅

今回の旅先は、イタリア、ミラノ🍝

私が今最も戻りたいと思っている、大好きな場所です。

ファッションの三大都市の一つであるここミラノは、ミラノコレクションを始め、多くのモデルが活躍する場所です。私はここでモデルエージェントを探すべく、BOOKを抱えてパリの空港から飛び立ちました。

Benvenuti in italia🇮🇹

2018年、2月。飛行機に揺られることわずか二時間、離陸して飲み物と軽食が配られ、食べわった頃には、初上陸のイタリアへ到着していました。島国から出てきた私には、陸続きの国の隣り合った、異なる文化や言語に興奮が止まりませんでした。飛行機から降りると、そこは今までのフランスの静かな雰囲気とは打って変わった、賑やかなイタリアが広がっていました。空港に大音量で流れる抑揚だらけのイタリア語。タクシーを勧めてくる陽気そうなおじさん。真冬の夕方にもかかわらず、ミラノの中央駅は、たくさんの人で賑わっていました。

イタリアの洗礼

ひとまずタクシーでホテルに向かうことにした私は、車内でまず初めのイタリアの洗礼を受けることになります。

走り出したタクシーは、信号を見ることもなく目的地へと向かいます。周りの車も、何かと競い合っているのかと思うような運転で、次々に追い越し、追い越されを繰り返し走っていきます。ここまで違うのか、と感心している暇もなく、執拗に流れ続けるラジオと、タクシーの運転手のおじさんのそれにかぶせて話している大きな声に私の頭はオーバーシュートしそうでした。

チップはいくら払えばいいのかと必死に計算する私の不安をよそに、どこから来たのか、何をしに来たのか、質問攻めが始まります。

フランスの学校でのバケーションの間、イタリア語を勉強して聞いた私は、早くイタリア語を使ってみたかったばっかりに、イタリア語で挨拶と行き先を伝えたことを早くも後悔していました。

スーパーマーケット

何とかホテルに着き、チェックインを済ませた私は、夜ご飯がてら、近くにスーパーがあるというので行ってみることにしました。その国の生活習慣が見えるので、私は異国のスーパーが大好きです。ここでも期待通り、様々な見たことのない物が並んでいました。とにかく広い野菜売り場を過ぎると、パンやお惣菜が山のように置いてあります。中でもピザ、やラザニア、ニョッキやラビオリなど、イタリアを代表する料理たちが信じられないような価格でショーケースに並んでいます。これだからスーパーは魅力的なのです。

一通り散策してホテルに戻った私は次の日の朝食の時間をチェックしてベットに入りました。

イタリアの朝食

私がイタリアを好きな理由の一つが、このイタリアの朝ご飯です。

イタリアでは朝ご飯に、サラダやミューズリーもホテルにはおいてありますが基本的に、ドルチェ(甘いもの)を食べます。エスプレッソとケーキ。これを朝から食べる幸せは何にも代え難いものです。ホテルのビュッフェでも美味しいコーヒーとケーキがたくさん並んでいて、まさに夢のようでした。イタリアでは朝ご飯にしょっぱいものを食べる習慣がなく、ビスコッティやブリオッシュにジャムをつけて食べるか、ケーキやタルトを食べます。

中でも私が一番好きだったのがCrostata (クロスタータ)と言う、中にジャムの入ったタルトで、これを毎朝食べれられるならイタリアに住みたいと本気で思ったほどでした。

夜の街観光

ミラノに滞在したのは合わせて四日間で、常にエージェントを回っていたので観光はほとんどできなかったのですが、最終日の夜は一緒にエージェントを回ったお友達と束の間のミラノ観光を楽しみました。ここで、イタリア滞在三日目にして初めて、美味しいピザとスパゲッティを食べ、調子に乗った私は、真冬の夜中に大きなジェラートを食べると言う暴挙に出ます。

ドゥオーモ広場の危険なバラ🌹

すっかり気分が良くなって記念撮影をしようと、ドゥオーモ広場にやってきた私は、バラの花束をいっぱい持ったおじさんに声をかけられます。「綺麗だね」と連呼してくるおじさんの渡してくる花束を、優しい人だなーと思って受け取り、写真を撮って帰ろうとすると、おじさんは花束を取り上げ、私にお金を要求してくるではありませんか。まさかの展開に我に返った私は夜の広場を一目散に逃げ帰ったのでした。

空港違い⁉︎

無事にバラおじさんから逃げ切った私は、翌日のお昼に出発する飛行機でパリに戻ることにしていました。ここでまさかの大失態を犯してしまうことになるのです。

ミラノからパリに帰る飛行機に乗るため、私は空港に向かっていました。空港でゆっくりお土産を買ったりしようと考えていた私は、余裕を持って空港に着くように早めのシャトルバスに乗っていました。ネットでチェックインも済ませ、のんびりとバスに乗っていた私は時間を持て余し、航空券を見ていました。

すると、乗船時間の上に書いてある空港の名前と、バスの行き先が違うことに気が付きました。まさか、と思った私はそんなことあるわけがないと思い、自分を落ち着かせようとしましたが、一応Googleマップで調べてみることにしました。

そこで初めて私は、ミラノに空港が二つあることを知ります。

そして恐る恐る確認すると、私が向かっているのは反対側の、もう一つの空港だったのです。

頭が真っ白になった私は、急いで空港に向かうルートを調べました。タクシーで行ったら二万円近くかかる距離で電車では間に合いません。すぐにバスを降りようとしたものの、空港行きのシャトルバス、途中で降ろしてくれるはずもなくバスは別の空港へと向かって走り続けます。別の空港に着いた私は途方に暮れてバスを降りました。

異国の救世主たち

バス停には警備のおじさんたちがタバコを吸いながら大勢で楽しそうに話していました。藁にもすがる思いで話しかけると、彼らは私の状況を理解し、解決策を真剣に考えてくれました。他のおじさんたちも集まってきて私の周りで大勢のおじさんが、「ああでもない、こうでもない」と言いながら空港への最速のルートを考えてくれ、目的地に行くというバス停まで連れて行ってくれました。なんとか間に合うかもしれないと、お礼を言いバスに乗ってもう一度、今来た道を戻り、バスを乗り継ぎ最終目的地まであと一歩という時でした。

奇跡の5ユーロ

最後のバスに乗るとなった時、チケットを買おうと財布を見ると、財布にはお金が1ユーロも入っていませんでした。

もともと防犯を考えて、極力現金を持ち歩かないようにと持ってきたお金は、来た道を戻るために買ったバスのチケットで使い切ってしまったのです。目の前にいる5ユーロのバス。これに乗れなかったら飛行機には間に合いません。カードで払わせて欲しいと頼む私を相手にもせず、出発しようとするバスに絶望していると、バスに乗り込もうとしていた夫婦が足を止め、私に5ユーロを手渡してくれたのです。驚いて言葉をなくしている私に、お金は返さなくていいからといって微笑んでくれた二人の顔は私には神様のように見えました。夫婦からもらった5ユーロでチケットを買うと、バスは出発しました。

空港に着いたのはフライトの10分前でした。走って搭乗口に向かうと、搭乗口は私を待っていたかのように開いていました。

チケットを見せ飛行機に乗り込み席に着いた私は、長い緊張状態からようやく解き放たれたのでした。

無事帰還

無我夢中で走り回ったミラノの中央駅、間違った空港で出会ったおじさんたち、最後のバスのチケットを買ってくれた夫婦、誰もいない搭乗口。思い返すと全部が幻のような、不思議な体験でした。

二時間のフライトを終え、パリの空港に着いて外を見ると、曇り空に虹がかかっていました。

無事に帰ってこられた安堵感、助けてくれた人たち、出国ゲートで私を待っているホストファミリー、日本にいる私の両親、いろんなものが頭に浮かんできて、気がつくと頬には涙が流れていました。

4日間とは思えないような濃い時間を過ごすことになった、私のミラノ一人旅はこの不思議な涙とともに幕を閉じたのでした。

またどこかでみなさんとお会いできることを楽しみにしています。

arrivederci👋  また会う日まで   

tomo

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