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ロンドンでの生活

日本を離れてあっという間に半年が経った。
自分と向き合う時間がないほど慌ただしく日々が過ぎていって、凍えるほど寒かったロンドンもようやく太陽が感じられるようになってきた。

ロンドンでの生活は間違いなく、今までの人生の中で一番楽しい時間だと言える。決して楽なことばかりではないけれど、この国の寛容さと人たちに助けられて生き延びている。

日本でアルバイトをしていたレストランの支店を紹介してもらって、人生で初めてフルタイムで働くことになった。入社説明会を終えても、自分がロンドンで働くことに実感が持てなかった。
仕事が始まってからは毎日が新しいことの連続で、ロンドンの街のことを知らないまま数ヶ月が過ぎた。

仕事に少し慣れてきた頃、一週間の休暇をもらってパリに行った。三年前に残してきた荷物を引き取るという用事と、高校から大学にかけて出会った友達に会うという目的があったが、私の心は以前ほどパリに向かなくなっていた。パリの大学を中退してモデルの夢も諦めた私に、パリの街がどう映るのか怖い気持ちもあった。

3年前の冬に後にしたパリは明るく賑わって、冬の寂しい雰囲気などなかったかのように爽やかに輝いていた。事務所があった場所も、オーディションの結果を受け取った通りも、変わらずにそこにあったけれど、想像したほど悪くはなかった。久しぶりに会った友達と一晩中語り合って、高校時代の交換留学で出会ったオーストリアの友人がパリまで来てくれて8年ぶりにパリの街を観光した。不思議な感覚だったけれど、とても落ち着いて幸せを感じられている自分に気がついた。セーヌの淵に座って8年前と同じ景色を見ながら話をする私たちはどう変わったのかと話したけれど、大切なことは何も変わっていないかもしれないと思った。

ロンドンに帰る頃にはまたすっかりパリが好きになっていたし、同時にロンドンに帰りたい自分もいた。
ロンドンでは味わえない幸せの味をできる限り楽しんで、空っぽのまま持ってきたスーツケースに荷物を詰められるだけ詰めてパリを後にした。

電車を降りた私がイギリスの空気に安心したのは言うまでもない。全てが英語表記の安心感と、整理された町は私を守ってくれていると感じた。それからのロンドンは全てが良くなっていくばかりだった。日は長くなっていくし、人々の服装も、表情すらも明るくなっていると感じた。

7月のロンドンは夏という言葉が不適切に感じるほど涼しく、急に雨が降ったかと思えば眩しいほどの太陽が照りつける気まぐれな天気ばかりだけれど湿気のない爽やかな風が吹くこの季節が大好きになった。


まだまだ変化は絶えないし、気がつけばまた薄暗く静かな冬がくるだろうけれど、私のロンドン生活は段々と落ち着いて、とても楽しく過ごしています。文章を書いていると、過ぎた時間を振り返って客観的に出来事を見ることができるような気がするので、近いうちにまたnoteを書こうと思います。

A très bientôt
tomo

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