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フッ軽さとアツさで乗り越えた、『チャレンジ』するひとの背中を押す古本屋のおはなし

はじめまして!
福岡の大学に通っている、渡辺ともねといいます。

先日、福岡の西新にて
大学生9人で1日だけの古本屋さんをしたのですが、
素晴らしい経験ができたので
これから新たなチャレンジをする自分と今後チャレンジをする誰かのために残したいと思い、人生で初めてnoteを書いています。


私には、
学生の「学生のままでいたい」という声と
大人の「学生に戻りたい」という声をなくしたいという想いがあります。


その想いを現実に変えるために
古本屋の店名は『book in orange』にしました。

「orange」には、「誰かの背中を押す色」という意味があります。

購入した本や私たちの姿により
チャレンジする誰かの背中を押したいと思い、つけた名前です。

SNSに準備過程や当日の様子を載せたり、
実際にお会いしたりしたときに、

「想いを持って行動していることがすごい」
「今の大学生はすごいって、大人に言いたい」
「頑張ろうって思えた」

との声をありがたいことにたくさんいただきました。


だからこそ、
今回関われなかった方々にも私たちのチャレンジを知っていただき、
誰かが一歩踏み出すキッカケ材料になれば嬉しいなと思います。

心から湧き出る伝えたい想いが在るときだけは
言葉がたくさん出てくるので、
出来るだけ簡潔にありのままを言葉にできればいいなと思います。

昨年10月のとある出逢いをキッカケに繰り広げられた怒涛の3カ月間を、
私から見えていた景色を、

ここに残します。

「カレー屋さんしない?」から始まった古本屋

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キッカケは、昨年10月に軽井沢に旅行に行ったことでした。

コロナ渦でオンラインになったとある活動で出逢った友人に会いに行きました。

その友人と行ったのが『本と茶「NABO」by VALUEBOOKS』さんでした。

旅行で来ているからその日にしか来れないこともあり
その素敵さに心がキュッと少し苦しかったのを、今でも覚えています。

そこに連れていってくれた友人は
たくさんある椅子の中から特等席も決めていたり、
学校帰りなども行っていたりするくらい常連だと言っていました。

福岡に戻ってきて、
「私も学校帰りに古本屋さんに行きたい!
あの素敵空間は、素敵すぎて夢だったんじゃないかと思っているけど、
それでも、もう一度あの空間を味わいたい、できれば、ずっと。」
そう思って西新の古本屋さんを調べると、
開店日を土日中心にしているMOOKさんがありました。

友人に連れて行ってもらった古本屋さんの近くには
他にもたくさん古本屋さんがあったのに、
西新にはほとんどない。
平日は空いていないなら、学校帰りにも寄れない。

じゃあ、つくりたいなあ。」

そう思っていた矢先、
一緒に活動的に様々なことを取り組んでいる親友とこんな会話をしました。

親友「カレー屋さんしない?」
私「古本屋さんがいい!」
親友「いいね!やろう!」


(「カレー屋さんしない?」と言われた1秒後には
親友の持つ力と
コミットしてもらうような私の関り方があれば成功する未来まで見えたので
「古本屋さんがいい」という返事をすることができました。ありがとう。)


その後、同大学の読書サークルを立ち上げた友人ともこんな会話を。

私「古本屋さんやるんだけど、予定空いてる?」

友人「何それ面白そう!空いてるよ!」

こうして、2021年10月28日に私たちは古本屋さんをすることが決まりました。

(親友との会話から読書サークルの子の返事まですべて同日のお話)

浮かび上がる事柄を並べた結果出てきた、「チャレンジ」というワード

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私たちが古本屋さんをすること自体が「チャレンジ」で、
そんな姿を見て「チャレンジ」したいと思って欲しくて、
本は「チャレンジ」するひとの背中を押してくれるモノだと思い、
「チャレンジ」を意味する色『orange』のような存在を見つけて欲しい、
という意味を込めて
book in orange」というお店の名前にしました。

メンバーの活動目的は「楽しむ」

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以前から、誰かの可能性を広げられるような機会を自ら創りたかったので、
追加で数名のメンバーを集めることにしました。

主催の3人の友人に声をかけたり、
Instagramのストーリーで募集したり、
活動的な友人に紹介してもらったりしながら、
メンバーは9名に増えました。

みんな個性的で、色んな活動で忙しいメンバーが集まったけど、
共通点は「やってみたい」という気持ちを持っていることでした。


『活動の中での目的は、「楽しむ」こと!
必達実績やフルコミットなどの強制は絶対にしない。
でも、やるって言ったことはやって、
やれない時はやれないって言うこと。絶対に助けるメンバーがいるから。
もう無理だって思ったら気軽にフェードアウトする感じで、ね。』


そう言ったら、集まってくれたメンバーでした。
また、9名以外にも説明を聞いてくれた学生もいて、
話を一生懸命聞いてくれたり、
意思決定を丁寧に、たくさん迷ってくれたりして、
本当に嬉しかったです。ありがとうね!!!

楽しくて、やりたいことが溢れた日

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古本屋さんをやるにあたって、やりたいことがたくさんありました。
だけど、妥協するとやってよかったと言えないのは知っているので、
それぞれ妥協はしなかったです。

・本集め
友人やその家族に譲っていただいたり、
ジモティーやSNSで声かけをして譲っていただいたり、
本が大好きで本屋さんをやっている方の私物をいただいたりしました。

本をいただくだけではなく、あたたかい言葉やつながりまでいただき、
メンバーが一番人とのつながりを感じ、感動していました。
集めさせていただいた本は私と親友の家に置いていたので
床や廊下より、本がある面積の方が広くなっていました。
おうちがプチ図書館になった気分でした(笑)

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・ポスターやチラシを貼っていただく
西新の商店街の皆様や福岡の本屋さん、本のあるところに
ポスターやチラシを置かせていただきました。
今の時代、ポスターやチラシの集客効果は低いとも言われているけど、
当日、「ポスターを見てきました!」という方もたくさんいて、
置かせていただいて本当によかったと心から思いました!
本当に、ありがとうございました。。!

・内装デザイン
建築デザイン学科のメンバーが
内装設計、棚、床、天井、壁、ポスター、チラシなど
すべて担い、イチからつくってくれました。
デザインだけは、提案はするけど意思決定は全て任せていました。笑
デザイン面に関しては全くと言っていいほど知識がないので
デザイン学科メンバーの2人に任せきりでしたが、
たくさんの時間と企画力を行使し、当日素敵なお店にしてくれました。

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・SNS運営
InstagramTwitterを開設しました。
毎日の冊数ストーリー、
季節に合った本、メンバー紹介、当日についての情報などの投稿をしました。
SNSを実際に投稿するのはよく近くで見てきたけど、
プレイヤーになって1人で投稿しまくるのは初めてで、
完全に手探り状態で行動していたけど、
主催メンバーから「今日の投稿オシャレ」「コンセプトに合う」というコメントが嬉しかったのは覚えています!

当日来てくださったお客さんに
「Instagramで見てて楽しみにしていました。」
「他の本屋さんのTwitterでのリツイートで来ました」
と言っていただいて、SNSも始めて、継続できてよかったと思いました!

Twitter担当やInstagram担当もメンバーにつくったのですが、
メンバーの活動目的が「楽しむ」だったので、
マーケティングとか細かい難しいことは考えず、
ありのままを伝え、すべてのひとに届いて欲しいという気持ちから
堅苦しくせず、楽しく見れる内容のモノ中心にしました!

・フリーペーパー作成
1週間前に大宰府にある本屋さん「古本と雑貨 ブックスアレナ」さんとお話していて、お手製のフリーペーパーを見せていただきました。
そこで、一緒に来ていたコアメンバーの子が
「私もこういうの好きです!つくっていました!」
と言うので、
「こういうの素敵ですね!
あと1週間もあるし、この子がここから1週間フルコミットしてつくってもらうことに今決めました!」
と私が勝手に即決しました。


その子は、対面のテストや就職活動の関係でコミットできていなかった子でした。
私は、その子がやりがいを感じられなかったり、
最後に楽しかったと言えないことだけはいやだったので
半強制的にフリーペーパー作成をしてもらいました。
ブックスアレナさんを出たのが夜の18時ごろで、
19時くらいに天神のカフェについて、
そのまま主催メンバーの本が好きな読書サークルの子とミーティングしてもらって
その日のうちから楽しそうに動き出してくれました。
デザイン学科の2人もフリーペーパーデザインに関わってくれて、
無事、前日の夜に完成し、130枚用意してたフリーペーパーも
追加が必要になり印刷するほどでした。
(このフリーペーパーに出てくる「他県の男の子」が
古本屋さんをやることになったキッカケの古本屋さんに連れて行ってくれた「友人」です。
「友人」ではないことがバレるけど、それもまた人生。そういう意味でも、儚いですね。はい。)

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・当日24時からの準備
当日の貸しスペースは24時間借りていて、当日の24時からしか
使うことができませんでした。
そのため、24時から準備を始めました。
床を貼って、棚を組み立てて、1600冊以上の本を運びこみました。

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24時からの稼働メンバーは元々7名だったのですが、
急遽、出店者の大学生絵本作家兼私の同じ組織で頑張っていた先輩である
いわたかいさんもジョインしてくれて、8名で朝まで準備をしました。

コロナ渦で呑み会もほとんどなくなったからこそ、
最近は、映画やドラマで描いていた大学生活を味わっていませんでしたが
この日ばかりは、高校生の文化祭前夜のようなワクワク感を味わいながら
オールが確定したメンバーと、レッドブルで乾杯しました。

間に合うか不安だったけど、9時開店ギリギリに間に合って、
準備を終えることができました。

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制限時間、12時間

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午前9時開店、午後9時閉店の制限時間12時間の中ではじまった1日。

午前9時ちょうどに
「Twitterを見て来ました!」
というお客さんとの会話を、今でも覚えています。

どのくらいお客さんが来てくださるかなんて検討もつかず、
「人に来てもらう仕組みづくりできていなかったね」
という反省をしながらオープンしたにもかかわらず、
開店時間12時間中10時間ほどは
店内に人が溢れるほどの盛り上がりでした。

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友達や仲間、本を譲っていただいた本屋さんが来てくださってお話をしたり、
メンバーと写真を撮ったり、
出店者の方々とお話をしたり、
普段本を読まない方におすすめの本を聞いてもらったり、
そうしているうちに、あっという間に12時間が経ち、午後9時を迎えました。

そのあとは、24時に間に合うように棚や床をもとに戻し、
23時ごろに終わった片付け。

「3カ月間本当にお疲れ様でした!今日1日も本当に。。」

と言った感謝の言葉やらそれまでのふりかえりやらを
しみじみとできるようなパワーは一切残っておらず、
まとめた数百冊の本を歩いて15分かかる
私と親友の家までどうやって持って帰ろうと悩んでいました。

どうにか家の前まで運んだはいいものの、
疲れ果てた修論に追われているボディビルダーの先輩に
最後の本運びに参加してもらいながら
その日をやっと終えました。

200人ほどの方々にご来店いただき、
900冊ほどの本を購入していただきました。

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当日を迎えるまでにやったことは本当にたくさんあって、
普段運動もしないのに本を運ぶことで手に豆ができたり、
フルコミットを強要しないことを念押ししたメンバーが
どうしたらやりがいを感じられるか悩んだり、
それぞれが持っている強みをありのまま出すにはどうすればいいのか考えたり、
「やりたい」「楽しみたい」と思って始めたものの
どうしても心身ともに疲労してしまうこともあったり、
疲労してる時に限って自分たちの甘さを指摘されて
誰も悪くないのにその悔しさをどこにぶつければいいのか
ネクストアクションを考えられないほど、前に進めない時もありました。

それでも、当日を迎えられて、オールでも倒れずに
最後の最後に本を運び終わったあと、
何のふりかえりもせずに寝て、起きた後に思ったことは

「シンプルに楽しかった。
自分の「やりたい」「楽しみたい」「メンバーに『楽しんで欲しい』」を
最後まで諦めなくてよかった。

逆に、途中辛くてよかった。
途中辛いのって問題ない。
最後にきついけど楽しかったって言えるから。」

という想いでした。

個人的には、最後に出てくる言葉が「辛かった」ってなる時は
何か問題があって、
過程で辛くない程度にしか頑張れず、
ただ楽しいだけだったってことだと思っています。


今回の古本屋では、
「やってみたい」「楽しみたい」「メンバーに『楽しんで欲しい』」
という3つの純粋なキッカケを最後まで大切にしました。

しかし、きついことや苦しいこと、責任が大好きな私にとって、
「メンバーに『楽しんで欲しい』」という想いを軸に
自分がフルコミットすればwin-winな状況になれたので
その点で言えば、客観的にみると貴重で過ごしやすい環境だったと思いました。

店名に込めた想い

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最後に、怒涛の3カ月の中で
改めて学んだたくさんのことの中で3つだけ伝えさせていただきたいと思います。

1つ目は、「誰にでもできることを誰にでもできないくらいやり切る楽しさ」についてです。

今回の活動でも本集めやSNS運営などといった
「やろうと思えば誰にでもできる、でも誰にでもできるからめんどくさいもの」
ってすべての組織活動においてあると思います。

それを私は、
①「やってみたい」「楽しみたい」「メンバーに『楽しんで欲しい』」
という3つの純粋なキッカケ
②学生の「学生のままでいたい」という声と
大人の「学生に戻りたい」という声をなくしたいという想い
を胸に、この2つの明確な目的に向かって
毎日やり抜きました。

そうすることで目的に近づく実感も得られ、
メンバーの中で一番「ひと」と関わることができました。

未来の自分への自戒も踏まえ、これを読んでいるすべての皆様には
「誰にでもできることを誰にでもできないくらいやり切る楽しさ」を
経験から知ってもらえると嬉しいです。

今回の活動はパズルのようでした。
1つのピースで完成するパズルがあって、
なかなか見つからないかなり珍しい大きいピースを一生懸命探したのではなく、
たくさんのピースで完成するパズルがあって
ピースを見つけるのはすごく簡単だけど
そのピースがいろんなところに散らばってるから
すぐには、1人ではできないから
なかなかみんなやらない。
だって、ただめんどくさいだけだし
どうせなら珍しいピースを見つけたいから。

ただ、見つけるのは簡単でも
探す時間をつくったり
できるだけ大人数で集めてみたりすると
珍しいピースを探すのとは違う景色が見えました。

2つ目は、「学生のみなさん、学生にしかできないことしませんか」という話です。
「学生という称号」と「想いで集う仲間の存在」は、
本当に学生にしかないものだと思います。

『学生という称号』
今回の活動をするにあたって、
「学生」というだけで協力してくれる大人の方々が本当に沢山いました。

学生のみなさん、考えてみてください。
何者でもない学生が何もない状態から
目的を持って活動していたら、確かにめちゃくちゃ協力したいと思いませんか。

これは、「学生だからってだけで協力してくれるよ!」という意味ではなく、
自然に生まれている『恩贈り』のサイクルを増やしたいし、
私自身も大人になったら学生に協力したいという想いから
書かせていただいています。

『想いで集う仲間の存在』
「やりたい」という気持ちだけでひとが集まって、
夢物語ではなく現実にしていく。
まだまだ知らないことだらけだからこそ、
ともに学び、ともに創造し、ともに発想をし続ける。
これができるのは、学生だけではないので、
何歳になっても貴重でワクワクできる経験が創れると人生をかけて証明したいものです。

3つ目は、自分の想いを再確認したことです。
ある早朝に私の父くらいの年齢の方から、本を譲っていただきました。
その方からこのように言っていただきました。

「私もとある大学を10数年前に卒業しましたが、
もっと色々な体験、経験をしておけば良かったと後悔しています。
一度しかない大学生活、引き続き謳歌されてくださいね。」

大学生しか挑戦できない、なんてことは思っていません。
しかし、何者でもないけど何者でもなろうと思える学生生活の中で
『面白いと思ったことを夢中でやる経験』を
できるだけ早いうちにするかどうかは
その後のキャリア構想に大きく影響すると考えています。

だからこそ、学生のために学生に影響を与えるだけではなく、
大人になった時のことも考えて
自分の想いを変化させていきたいと思いました。

当日を迎えるまでに関わってくださったすべてのみなさま
そして
古本屋さんを小さなキッカケで始められるくらい私に期待をしてくれた
まわりの仲間や友人、尊敬する大人の方々、先輩方
そしてそして
「文章楽しみにしてる!」って言ってくれたしんたろう(会ったことないけど北海道で頑張ってる仲間!!笑)、
文章書くのちょっと疲れた私に「残した方が絶対にいいよ」とおっしゃってくださったくぼさん(インターン先の上司です!)、
本当にありがとうございます!

西新の1日はかない古本屋さん「book in orange」は
今年の秋に進化してかえってきます。

次回のふりかえり投稿をするときに
みなさんがみなさんにとって大切な「チャレンジ」をして、
お互いもっと進化した状態でお会いできるのを楽しみにしています。

ここまで読んでいただき、
本当にありがとうございました。

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2022年2月18日
渡辺ともね



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