パワハラを語るヤツは愛を語るな
社長の講話なんて聞くんじゃなかった。
カリスマ社長は年を取って、自分の価値観と今の世の中との風潮の狭間にいらっしゃる。
以前は話を聞けば元気になれた。
また頑張ろうと思えた。
社長ご自身も気づいてはいるのだろうな。
しかし現在、休職中の私には堪えた。
社長の講話なんて聞くんじゃなかった。
30代くらいの管理職女性が質問をした。
「今の時代、叱るとパワハラと言われる。私は愛情を持って接してるつもりだし、言わないと分からないままだとも思う。どうしたらいいでしょうか」
パワハラとは?!
相手がそう感じたのなら、それはパワハラなのだよ。それだって、個人ごとに感じるポイントは違うはず。
適応障害で労災を申告するのは難しいらしい。
大手ほど立派な弁護士先生が付いているし、録音するとか、あんなのってドラマの世界だ。
お金が欲しいわけじゃない。
認めさせたい。パワハラだと認めさせたい。周りにも知らしめたい。私はパワハラにあってこうなったんだと、会社に認めさせたい。
私が眠れなくなった理由は、将来への漠然とした不安なのだと思っていた。
それが「悔しい」だったんだと気付くのに1ヶ月掛かった。
気付いたからといって、すぐに眠れるようになったわけじゃない。
毎晩、毎晩、気持ちの堂々巡り。
社長は質問にどう応えたのか。
「あなたが愛情を持ってやっていることだから大丈夫。何も気にすることなんてない。自信を持ちなさい」
擁護するんだ。
愛情なんて、言葉にしてなんぼのもの。
シンプルに、あなたは愛を言葉にしてるの?
「あなたのことが大好きだ」って伝えたの?
パワハラかどうか、その境目を質問したって、答えがあるわけないのに。
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