満員電車に揺られて#14
メグミは、夜のリビングで一息ついていた。ソファに深く体を沈め、ふわりとしたクッションに寄りかかりながら、ふと目を閉じる。今日も一日が終わり、仕事の疲れがじわじわと身体に染み込んでくる。彼女は37歳、独身で会社員。普段は真面目に仕事をこなしているが、帰宅後のこういった時間には、心の奥底に押し込めている欲望がふと顔を覗かせることがあった。今夜もそんな時だった。
窓の外には静かな夜が広がり、街の灯りがぼんやりと揺れている。電車の音が遠くからかすかに聞こえ、それが彼女の妄想を呼び覚ます。自然と、彼女は頭の中で特急列車に乗っている自分を思い浮かべ始めた。
電車の中は混み合っている。時間は夜の7時を過ぎたころ、帰宅ラッシュが一段落してもなお、座席には座れないほどの乗客で賑わっていた。メグミは東京駅を出発したばかりの特急列車に揺られていた。今日の設定では、彼女は仕事の帰り道で、年上の男性と一緒に乗っている。この男性は彼女が大学生だったころ、数学の個別指導をしてくれた人物だ。今でも定期的に連絡を取り合っており、彼は落ち着いた大人の雰囲気を漂わせ、いつも穏やかで頼れる存在だ。しかし、そんな彼に対して、メグミは常に少しの緊張感と、どこか曖昧な距離感を保っていた。
列車は品川駅を通過し、窓の外に広がる夜景が流れていく。ビル群の明かりが一瞬だけ彼女の視界に入ると、その光が反射して彼女の化粧が淡く浮かび上がった。今日はいつもより少し濃いめのアイメイクをして、黒いタイトなスカートに白いシャツを合わせている。仕事帰りの彼女にとって、これはいつものスタイルだが、どこかこの妄想の中では特別なものに感じられた。
「今日は特別な夜にしよう」と心の中でささやき、隣に座る男性の顔をちらりと見る。彼の目は静かに彼女を見つめ返し、少しの間があった後、彼はゆっくりと口を開いた。
「メグミ、ずっとこうして君のことを見ていた。どうしても…触れてみたいんだ。いいかな?」
その言葉が彼女の胸の奥に響く。少しだけ身をこわばらせながらも、彼女は答えることなく、ただ頷くだけだった。すると、彼の手がそっと彼女の肩に触れ、次第にその手は彼女の背中に回り、ゆっくりと引き寄せられる。胸の鼓動が早くなり、息が浅くなるのを感じながらも、彼女は目を閉じた。
「ふぅ…ん…」
彼の手が彼女のシャツの上から、軽く胸を撫でる。柔らかく、しっとりとした布越しに彼の手の温かさがじんわりと伝わってくる。その触れ方は優しく、それでいて少し強引さが混じっている。メグミの体は自然と反応し、彼の手が動くたびに心臓が一層早く打つ。
「ん…あぁ…っ」
小さな声が漏れるのを止めることができなかった。彼の手はさらに下へと滑り、彼女のスカートの裾に指先が触れる。ゆっくりと、慎重に、彼の指がスカートの中へと忍び込んでいく感覚が、彼女の意識を高ぶらせる。
「ねぇ、もっと感じたい…」
メグミの声は震えていた。彼の手がさらに進むと、今度はパンティ越しに触れてくる。布一枚隔てただけのその感触に、メグミは思わず体を反らせてしまった。
「うっ…ふぅ…んっ…」
彼女の呼吸は荒く、喘ぎ声がますます大きくなる。彼の指がゆっくりと布の上を滑るたびに、電車の揺れと相まって、彼女の中に広がる熱が一層強くなっていく。
「どう?気持ちいい?」
彼の低い声が耳元でささやかれ、メグミはただ頷く。彼の手は止まらず、次第にシャツのボタンに指がかかる。そのまま一つずつボタンを外していき、ついには彼女の白いシャツが開かれる。車内の空気が直接彼女の肌に触れ、冷たさとともに一瞬だけ現実に引き戻されたような気がしたが、それも束の間、彼の手が再び動き出すと、彼女の意識は深く妄想の中へと沈んでいった。
「ふぅ…あっ…あぁ…」
シャツの下に隠れていた胸を、彼の手が包み込む。指先が彼女の肌に触れると、電流が走ったように全身に快感が広がる。彼の手は少し粗く、だがその分、彼女の身体に与える刺激が強烈だった。
「もっと…もっと…」
メグミの声は次第に上ずり、彼女の身体はますます熱くなっていく。
メグミの呼吸は乱れ、全身が熱を帯びているのを感じていた。彼の手はまだ胸元を包み込み、強弱をつけながら触れるたびに、彼女の身体は反射的に反応する。シャツがすでに開かれていて、肌に直接触れられる感覚がますます刺激的だった。
「ねぇ…もう少し…」
彼女は少し息苦しそうに呟いた。それに応えるように、彼の手がスカートの中へとさらに深く滑り込んでくる。指先がパンティのレースに触れたとき、メグミは思わず身体を反らせた。
「ん…っ、あ…」
その感触は、これまでとは全く違うものだった。彼の指が布越しに秘部を軽く撫でると、熱が一層高まり、全身が震えた。彼女は自分の中で、欲望が抑えきれなくなっているのを感じていた。
「感じてるんだろう?」
彼の声が耳元に近づき、囁かれると、メグミの頭の中は混乱しながらも、期待感でいっぱいになる。彼の手はパンティの縁に指をかけ、そのままゆっくりと布の下へと進んでいく。メグミの身体はそれに合わせて自然と脚を少し開き、彼を受け入れる準備が整っていた。
「んっ…あっ…だめ…」
だが、彼の指が直接触れた瞬間、そんな抑制の言葉は無意味に感じられた。彼女の声はかすれ、呼吸はどんどん荒くなる。彼の指はゆっくりと彼女の秘部を撫で、湿り気を帯びたその部分を繊細に扱う。彼の動きは慎重で、それでいて一つひとつが確実に彼女の感覚を捉えていた。
「ふぁ…あっ…ん…」
喘ぎ声が止まらない。電車の中でこれほどまでに大胆に感じてしまうことが、さらに彼女の興奮を煽った。彼の指は少しずつ動きを早め、そしてついに、メグミの中へとゆっくり入り込んでいく。
「うっ…ふぅ…あっ…!」
その瞬間、彼女の身体は反応せざるを得なかった。指が彼女の内側を押し広げ、さらに奥へと進んでいくたびに、彼女の身体はその動きに応じて敏感に反応する。メグミはもはや自分をコントロールできず、彼の手に全てを委ねていた。
「ふぅ…もっと…もっと…深く…」
彼女の声は震え、全身が痙攣するように感じていた。その指の動きは、彼女の意識を高揚させ、次第に理性の糸が切れていく。
「こんなに濡れてる…我慢してたんだろ?」
彼の声が低く響き、メグミはただ黙って頷いた。それが答えで十分だった。彼の手がますます大胆に動き始め、指が深く入り込むたびに、彼女の身体は波打つように反応していた。
「んっ…あっ…ああ…もう…無理…」
彼女の身体は限界に近づいていた。彼の指が彼女の内側を刺激するたびに、その快感が増幅し、耐えられないほどの興奮に襲われる。目の前の世界がぼやけ、現実と妄想の境界線がますます曖昧になる。
「…ねぇ…お願い…」
耐えきれなくなったメグミは、彼の手を引き寄せる代わりに、自分の方から彼に近づいていった。彼のズボンの上に手を置き、その下に隠された彼の熱を感じる。
「もう、我慢できないの…」
彼女の指がズボンのジッパーを下ろし、彼のものを取り出した瞬間、その硬さと熱さが彼女の手に伝わる。彼のものはすでに硬直し、彼女の手に応えるように脈打っている。
「ん…すごい…」
彼の目が彼女を見つめる。その視線に圧倒されながらも、メグミは彼のものに顔を近づけ、唇をそっと当てた。
「ふぁ…あ…」
彼女の唇が触れると、彼の反応がすぐに伝わる。彼のものを口に含み、ゆっくりと動かし始める。彼女の唇と舌が彼を包み込み、滑らかに動かすたびに、彼の喘ぎ声が耳元に届く。
「んっ…あぁ…」
その声がさらに彼女の興奮を高め、彼女はその動きを激しくしていく。彼のものが彼女の口の中で鼓動し、そのたびに彼女は自分自身がどんどん溶けていくような感覚に陥る。
メグミは、彼のものを口に含みながら、心の中で膨れ上がる欲望に抗えなくなっていた。彼の熱くて硬い感触が、唇や舌の動きに反応して、脈打っているのが感じられる。それに触れられるたびに、彼女自身の身体も限界に近づいていくのを感じていた。
「ふぁ…んっ…もう…耐えられない…」
彼の呼吸も荒く、彼女の動きに応じて喉の奥から低い唸り声が漏れる。メグミは彼のものを口からそっと離し、彼を見上げる。その瞳は熱く潤んでいて、今にも溢れ出しそうだった。
「…中に…欲しい…」
メグミは囁くように言い、彼の上にゆっくりと跨がった。彼の熱が自分の身体に直接触れる感覚が、たまらなく甘美で、彼女の心拍はさらに早くなる。彼のものが、彼女の奥深くに触れる前の瞬間、二人の視線が絡み合い、わずかな静寂が流れた。
「んっ…ふぅ…」
ゆっくりと、彼のものが彼女の中に入り込んでいく。彼女の身体はそれに応じて自然と反り返り、内側が彼の形を包み込んでいく感覚に全身が震えた。二人は体を密着させ、彼の熱さと自分の中の湿り気が一つに交じり合う。メグミは彼の上でゆっくりと腰を動かし、彼のものが自分の中で深く押し広げられていく感覚に夢中になっていた。
「ふぁ…あっ…深い…もっと…」
メグミは喘ぎながら、さらに動きを早めた。彼のものが彼女の内側に深く進むたびに、その摩擦が彼女を焦らし、快感の波が押し寄せてくる。メグミは自分の腰を彼のリズムに合わせ、激しく動かしていた。
「んっ…あぁ…!」
彼の手が彼女の腰をしっかりと掴み、その動きをさらにサポートする。彼の熱い息が耳元にかかるたびに、メグミはもう抑えきれないほどの興奮に襲われていた。彼女の体が震え、彼の中で乱れるたびに、二人はますます一体となっていく。
「もう…限界…」
彼女の声はかすれ、全身が熱く燃え上がるようだった。だが、彼が突然動きを止め、彼女をベッドに押し倒すと、今度は彼が後ろから彼女に入り込んできた。バックからの姿勢で彼が再び彼女を貫くと、その深さにメグミは思わず大きく声をあげた。
「うっ…あっ…!」
彼の動きは激しく、リズミカルだった。後ろから彼のものが彼女の奥深くまで突き進むたびに、彼女の内側がその衝撃に応じてしなる。彼の体重が彼女にのしかかり、彼女の身体は彼の力強い動きに翻弄される。
「ふぅ…あっ…あぁ…!もっと…もっと…!」
メグミの声は乱れ、全身が汗で湿っていた。彼女の中で彼が動くたびに、その感覚がますます強くなり、全身を駆け巡る快感はもう限界に近づいていた。
そして、彼が最後の一撃を加えた瞬間、彼女はついにその頂点に達した。彼の中で爆発するような感覚が彼女の中に流れ込み、熱いものが彼女の内側を満たしていく。
「ふぁ…あぁ…!」
メグミは叫び声をあげ、全身が一瞬の間、硬直した。そして、彼の熱が彼女の中に全て注がれた瞬間、彼女の中にも同じような波が押し寄せ、彼女自身もその瞬間を迎えた。
数秒の静寂が流れた。メグミは自分の身体が緩やかに震えているのを感じながら、彼の重みを背中に感じていた。彼はゆっくりと彼女の中から抜け出すと、メグミはその瞬間に現実に引き戻された。
「…あ…」
ふと我に返り、自分が実際にしてしまっていたことに気づく。身体はまだ痙攣し、彼女は自分の手が下着の中にあることに気づいた。ソファの上で彼女の手は自分を慰めており、彼女はその瞬間の感覚が現実にも重なっていたのだ。
「…もう…こんなことして…」
彼女は呟き、ゆっくりと身体を起こした。肌は汗で湿り、心臓の鼓動が早く打ち続けている。少しの恥ずかしさと、しかしどこか満たされたような感覚が混じり合っていた。
メグミは立ち上がり、静かに浴室へと歩き出した。シャワーを浴びる音が部屋に響き、彼女は水で身体を流しながら、今しがたの出来事を振り返っていた。
「…こんな夜も、たまには悪くない…」
彼女はそう呟きながら、身体を冷たい水で冷やし、静かにその感覚を洗い流していった。