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2021年の自選五首

『テンペスト』仲間由紀恵を推す我は悪役側の子孫であるが
炎とは浄化か憎悪の妄執か火刑のシーンに顔がひりつく 『薔薇の名前』
熱心に夫が見ているスマホには蟬を唐揚げして喰う動画 (おろちんゆー)
ムーミンは咥えタバコの煙より生れて世界を駆け巡りたり 『TOVE』
人の死にし二駅先の復旧を、死後の平安思いつつ待つ

なんのかんのと無理矢理にでも映画を観た年でした。

『テンペスト』はNHKでの再放送。仲間由紀恵がイケメンすぎて死んだ。私、実家が島津家の土地の被支配者層なので、琉球から見たら悪役側だった。

東京オリンピックなんか見たくなかったので、ゲオで『薔薇の名前』を借りて鑑賞。夫も巻き添えに。キリスト教やグーテンベルグ以前の背景をよく知らない夫は、「この人たち、分からせるって気はないの?!」とプンプンしてた。エーコに聞かせてやりてえ。

『TOVE』よかった。よかったけど、タバコ吸ってばっかりだし、飲むし、セックスシーン多いし、ちょっとビビる。中学生くらいの少女を連れた女性客がいたけど、ムーミンの映画と思って油断したんだろうか。

短歌結社誌『水甕』に投稿したものから抜粋しました。一、二首目は不採用、三首目は採用、四、五首目は再来月以降に採用されるかどうか未定です。今年は特に選者の好みに引っ掛からなかったみたいです。引っ掛かりたいわけではないけれど、やはり全体的に自分の作品の質は低下したと痛感します。今からでも一冊でも一首でも他人の作品に触れ、評論や他分野の論考を読んだ方がいいんでしょうね。

これからもよろしくお願いします。

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