秘密の占い本
80年代私は中学生でした。
中学2年の頃、教室を出てすぐの廊下には本棚があり、図書本が並べられていました。そして各々好きにそれらを読んでいました。
ある日、友人が、ヒソヒソ声で、
「びっくりするほどよく当たる占い本を教えてあげる。誰にも絶対秘密だよ」
と言うのです。
私はドキドキしてついていきました。
廊下に誰もいないのを確認して、友人が
「これ」
と指さしました。廊下の本棚の上から2段目。
一番右端。ぎゅっと奥まって入っている一冊の小さい文庫本のようなのがありました。
本を取り出してみると、カバーは外されていて題名と筆者の名前のみ。図書本に貼られるシールも付いていません。
「六星占術」 「細木数子」と書かれていました。
中は小さな文字だらけ。そっと家に持ち帰りました。
家でもコソコソと、生年月日から表を見ながら計算をして色々割り出しました。
うわぁ、当たってる!
その頃、星座占いしか知らなかった私には、とても新鮮でショッキングなものでした。性格と将来こんな風になるというところを念入りに見て、また後日こっそりと戻しました。
「どうだった?すごいでしょあれ」
友人に聞かれて、本当によく当たってると興奮気味に答えました。
秘密の占い本は、秘密だと言いながら、実はみんなコソコソ借りていたようでした。たまに存在確認をするのですが、よく無くなってましたから。
今思うとかわいい♡
2000年代に入り、私が30歳を過ぎた頃、細木数子さんがテレビでブームになった時、うわぁあの人だ!とびっくりしたものです。
やっぱりね、あれはすごかったんだと思いました。
ぜんぜん書かれてた内容は覚えてませんでしたが…。
最近の占いブームで、あの日の秘密の占い本のことを、ちょっと懐かしく思い出している今日この頃です。