本年度中に米寿祝いをやることの引き金となった、「プレ米寿祝い」の金一封。
もちろん、姉の家へ直行。
姉は、ちょうどいなかったので、姉の旦那さんが出てきて、事情を話し、プレ米寿祝い金一封を渡しておいた。「わたし自身、来年はどうなるか分からないので・・ガソリン代とか、夕飯代、ゴミ出しの手間賃、お好きなように使ってください。イノキさん(姉)に渡しといてください。」と。
ところが、実家の前には、姉の車が・・。
姉は、実家のすぐ上の他所様の休耕田の奥に上ったところに、秘密の場所のようなところにうちの休耕田がある、そこで、移植して育てた、朴木の葉っぱを取りに来ていた。朴木の葉っぱは大きく、そこに酢飯を入れお好きな具材を入れて包んだ朴葉寿司を作るとか。この地方の郷土料理でもある。今の新緑の頃が最適である。
母、おばばさんが、「ちっとも、帰ってこないけど、もしかして、ぶっ倒れているかもしれないから、見に行ってくれ!」と。
作業服に着替えを済ませた、私に頼むのである。
わたしは、一息入れて、ノコノコと、その場所へ向かう。
倒れてはいなかった。うちの休耕田周りの鬱蒼と茂った、椿の木やら、背が高く伸びた笹、雑木などを、高枝バサミを使って、「剪定している」と、何やらワサワサして動き回っていた。
その作業中に、わたしに、姉が「あのさ、米寿祝いって、やっぱ、数え年でやるもんみたい・・・」とボソッと。
「ああ、さっき、あんたっちによって、旦那さんに事情を話して、少しばかりだけど、渡してきた・・イノキさんにと・・」
その時、他所様の休耕田に、竹の子ちゃんがすくすく伸びすぎたものを発見。
「これ、切った方がいいね」とわたし。
それで、すぐ、家にノコと剪定バサミを取りに行く。
それにのこぎりの刃を入れて、切り倒す。他所様のところは、放置竹林に休耕田が一塊りになって、周囲が本当に背が高く生茂ってしまった、笹藪の中のものなので、切り倒しても、笹藪がキャッチして、地面に倒れてこない。
それを力のある、姉が引きずり出す。
「これ、本当に今年のもの?」
「そうだよ、穂先をみてよ、枝が分化している途中じゃん。」
「えらい、長いね、お父さんがお宮の行事に使うのに役立つかも・・」
「ダメだね、腐るよ」
あまりにそれが長いので、「ここも切ってよ」と。半分に切り落とし、姉が雑木の傍に避けたり、休耕田笹藪に投げ込んだり始末する。
「それから、うちの周り(休耕田)のものも、切り倒しておいてよ!!!」と、必ず最後は命令口調。今回は、アホくさくなって、空返事で、「はいはい!」言いつつ、無視して、そのまま退散。だって、我が家の竹藪の整理の方が大事だから。そこは他所者立入禁止区域になっている。これが、姉のあしらい方かと、やっと、学ぶ。
その間出た、米寿祝いの案が、姉、「わたしの切り絵なんか・・ああ、ダメか、「切る」って、忌み言葉だから」とか、「わたしが(姉)、おばばさんの肖像を水彩画で描いて贈るとか・・」
「手作り料理で、茶碗蒸しとか準備して・・・」
(また、いつものケチケチ案。だったら、いつもの夕飯の差し入れの延長じゃないか!!)
で、まあ、結論としては、年内か、お正月ごろには、なんとか手を打つということになった。つまりは、数え年で行うことになった。
家に帰ると、おばばさんが、「イノキ(仮称:姉)、何しとった?」
「知らん!」「大丈夫だよ」と、わたし。
そして、家の竹藪のチクチクと、所々出ている、破竹の処理、全部切り取る。
昨日の風で、倒れた竹が、2本。枝払いといえども、枯れ竹なので、ノコで、処理。枝払した竹は、竹置き場、枝は、枝置き場へと。
イノキ姉帰還。朴木の葉を素手で整理しながら。
いつも、おばばさんは、「無防備すぎる・・こんなに首回り晒して、あんなところ(鬱蒼としたところ)入って、ほらほら、アリが・・虫にでも刺されたら、どうするの!!」
「ああ、ヤダ〜、わたし、アリには弱いの!!」の会話が聞こえる。その日は、姉のスタイルはノーチェック。狸のような目もみていない。
(私は、完全防備。それは、eirianだからさ。御近所さんの目も、完全防備すると、また鋭くチェックされる田舎暮らしの大変さ。ここは、黙って、見て見ぬ振り)。
*
姉の旦那さんの案が、一番模範解答で、「特別な仕出し弁当をどこそのお寿司屋さんで、注文して、会食会をおばばさんの家で、開いた方がいいんじゃないかなあ・・」と。なるべく、おばばさんの体に負担をかけないように。
恐ろしや、本年度米寿祝いをやることの引き金となった、「プレ米寿祝い」の金一封と、称しておこうか。
(おわり)