母の次の段階と、スモックと、松の剪定。


もう、数えで八十八歳になる母だから、日々体にガタがくる。

姉の話だと、足の調子が悪い時があって、ベッドから、リビングまでも歩けないから、介助を求めた。その日は、リビングに食事を運んでもらい食事を取ることに。

ベッドの柵をケアマネに相談し、レンタルを今申請中。

そして、ケアマネから、ディケアに週1のペースで通い、足のリハビリをやった方がいいと、強く勧められ、わたしは詳しくないので、まだ決定ではないけど、そのように、動いているようだ。

 意識はしてないけど、母の節目節目に、スモックの目新しいものを見つけて、プレゼントしている。今年は、昨年の半値で、購入。3990円。
 母は、おしゃれ、一張羅に、脳に喜びを感じるようだ。

 そんな折、玄関横のシンボルツリーの松の剪定のことを母の口から言い出した。

「脚立から落ちて、怪我、よくないと、足腰を痛めて歩けなくなったら、もともこうもないから、・・」
 ご近所でも、家のご主人が加齢で動けなくなったり、または亡くなられたりで、松の手入れどころか、松の木を切り倒せざるを得ない状況を見たり、聞いたりしていることもあった。以前の、ねばならぬから現実を見るようになった。

玄関先まで、出て、杖を持たせて、どの位置で、剪定して欲しいか、確認。

 最初、どうしようと迷ったが、自分も歳を取る。動きが鈍くなる。

やろうと、思った時が剪定時だと。

 お祭りの前日、お天気もいい。7段脚立をだして、のこぎり。

足場を確保。脚立の固定。地面に安定させてしっかり置いた。

 のこぎりは、切っているうちに、松脂で、滑りが悪くなる。

親父の残した道具入れになっているロッカーから、CRCを出して、刃にスプレーし、雑巾で、拭う。そうすれば、松脂も落ち、また滑りがよくなり、切れ味も違う。親父がCRCを使っていたのは、こんな使い方もあるんだなあと。


裏の、焼き場に、剪定の残骸を持って行った。

母、「現実は、男の人の方が寿命が短い。だから、松の手入れをやる人が少なくなった。もっと、自信を持って、庭木の剪定して良いんだよ」と。

 初めて、聞いた言葉だった。




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