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散水栓の修理。「器用貧乏」と言われるよりも、何もしない方がいいのか。「声がでかい」のが勝ちの様な。

現役で、働いていた頃のことを思い出しながら。

母は、急に、唐突な難題をふっかけてくる。

散水用の水は、節約のため、もう飲料用に使わなくなった井戸水をポンプで汲み上げ、散水用に使っている。

「ホースがダメだから、取り替えたい!」

から始まった。

散水用の、ヘッドは私は、使ってないので、仕組みがよくわからなかった。

わからない時は、必ず分解し出す。

ヘッドの取り外し。ある部位を回して、ホースを引き抜けば、ヘッドは取れた。

散水栓の、蛇口の下も、よくわからなかったので、下のボルトのネジを緩めて、外して、それから、ホースを外してみた。

その度に、「ドライバー」がいると、「ドライバー」を取りに家に上がっていく。


次は、替えのホースを、母が引っ張り出して、「これを使え!」

農業用に使っていたものだ。それが、特殊で、普通のハサミでは、切断できない。

そこで、剪定用の切れ味が悪くなった小型ノコを出して、切断し始める。

かろうじて、散水栓のところにはまり、ヘッドをつけると、一気に、ヘッドが、ひび割れていたので、そこから、細い線を描く様に、水が吹き出す。

じゃあ、ヘッドも壊れているかと。

次の、難題、母、「蛇口の水漏れを直して!」

「その蛇口の下を締め直してくれ!」


「モンキーがいるわ!」


母、親父の工具箱からモンキーを出して、回らない、回らないと、CRCを吹き付けて、なんとか、回る様になる。

それから、蛇口の下を、モンキーレンチで、締め直す。


これで、水漏れが止まるが・・。


私のやることが、鈍いので、「焦ったい!」「歯痒い!」と言い出す。


おまけに、「Yおじは、「器用貧乏」だった」とか。

まるで、自分に言われているみたいだった。


「じゃあ、できなくて、声がでかい方が、金持ちになれるわけ?」


私は、そういう思いと、そんな過去を引きずっているんで、ズキンときた。



そうなんだ、「こんなのできるわけがない、水道屋さんに頼め!」

と、放り出した方が、処世術としては、正しかったかもしれなかった。






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