タオルを推しにかえたら、しあわせの分量がふえた話
涼しくなりはじめた9月半ば、娘は産院から自宅へはじめてやってきた。私は、すぐに新しいバスタオルで彼女をくるみ、ベビーベッドに寝かせた。
おくるみ布や赤ちゃん布団も用意していたけど、その気持ちよさは産まれたてでもわかるはず、とふわふわタオルを選んだ。
このタオルはあたたかいのにムレなくて、体温調整が下手な赤ちゃんにぴったり。ミルクを吐き戻してもがしがし洗えるし、何なら、洗うほどにふかふかに育っていく。
しあわせの要素
イケウチオーガニックのTwitterを副業で担当させていただき2年目。毎日、タオルの魅力にふれるうち、私は結構なタオルラバーになっていた。
上のツイートで愛を語っているタオルケットで、娘はいつも気持ちよさそうに眠る(↓)。そして、うたた寝した夫が、そのままソファで朝をむかえることがふえたのは確実にタオルケットのせい。
当初、タオルは何でもいいと言っていた夫だけど、今では「娘の内祝いはイケウチのタオルにしよう」と提案してくる位には、違いを体感しているみたい。自分の”好き”が、大切な人に伝染するのはなんだかうれしい。
しかも、娘が産まれるタイミングで洗濯機を乾燥機付きにしたものだから、タオルのふわふわさは向上。わが家のしあわせ要素の一つとなっている。
愛を例えるなら
お気に入りのタオルを使うのは、好きな洋服を着る感覚にとっても近い。
買ったばかりの洋服に袖を通す、ちょっとウキっとしたあの感じ。ふわふわのタオルにふれる瞬間も、たぶん同じしあわせホルモンが分泌されている。
イケウチと出会う前、私にとってタオルは消耗品の部類で。それ以上の役割を考えなかったし、タオルにこだわる感覚もわからなかった。
洋服に興味がない人から、「着られれば何でもいい」と聞くことがある。当時の私にとってのタオルはまさにそれ。「拭ければいい」だった。
でも、肌にふれただけですっと水を吸う快適さとか、乾燥機から出した直後の嘘みたいなふかふかさとか、心地よいタオルの世界を知ってしまうとそこは沼。
日用品とあなどるなかれ。タオルを推しにかえると想像以上にQOLがあがり、もう「タオルなら何でもいい」世界には戻れそうにない。
イケウチのものづくり
私がイケウチを好きな理由は、その品質だけではない。
ものづくりへの姿勢やお客様との向き合い方が、イケウチを知れば知るほどに実直でよどみない。会社名にかかげる「オーガニック」は、ポーズでなく決意だと伝わるというか。
以前私は、化粧品メーカーで商品開発の仕事をしていた。ものづくりはたのしくて大好きだけれど、やればやるほどに課題がでてきて胃がきりきりした。
社内外の関係者と相談し、開発の過程でゆずれないところと妥協するところの落とし所を探すことも多い。
たくさんの「できない」をあきらめずに「できた」に変えたけれど、その数倍、できないことも山のようにあった。前例がない、物理的にむずかしい、コストやスケジュール的に無理など理由は様々。細部に神は宿ると感じるものの、細部までこだわりぬくのは並大抵ではない。
以前、イケウチの阿部社長とお話する機会をいただいた。
ちらっと商品開発時代の話をすると「商品が理想通りにできないこともある。でも、そこにブランドとして矛盾を感じたら、お客様に正直に伝えることも大切」というようなことをおっしゃていて、心を撃ち抜かれた。
メーカー時代、私が抱えていたもやもやが溶けていく感じがした。
おはずかしながら、阿部社長とお話するまで、お客様とのコミュニケーションで「できないを伝える」という選択肢に気づけなかった。
確かに、イケウチではタグを縫い付ける糸1本までオーガニック(!)なのだけれど、以前、池内代表が「昔はこの糸がオーガニックではなくて…」と、現在までの経緯を話されていたのが印象的だった。本当に正直すぎる。
ちなみに、イケウチはトレーサビリティも徹底していて、商品ごとに綿の収穫場所から製造過程で経由した場所をQRコードから追えるようになっている。そんな細かいことまで消費者が知れるブランド、イケウチしか思いつかない…どこまでも公明正大なものづくりへの姿勢、好きにならずにはいられないのだ。
2031年へ
最後に、イケウチのタオルは正しくメンテナンスすると、ジーンズのように育ち、10年(!!)使えるものもあるらしい。
わが家にはまだ1.5年もののタオルしかないけれど、毎日使うものを長く大切にする暮らしはとても素敵。今、身の回りで10年使っているものを思い返してみたらピンとこなくて、反省…。
娘が生後5日で使い始めたエアーホイップのピンクタオル。
眠る時にくるんだり、遊ぶ時下に敷いたり、お風呂上がりに拭いたり、写真背景としてもかわいくて、このnoteをUPする生後88日にして大活躍中。
10年後、2031年。娘は小学4年生!! 10歳って反抗期? 全然想像つかないけれど、小学生の娘がお風呂上がりにこのタオルを使うイメージはすぐにわいた。
きっとこれから、娘はこのタオルとたくさんお昼寝するだろうし、プールや旅行にも一緒に行くはず。想像すればするほど、タオルを使うシーンはとても多くて、彼女と一緒に”育って”10年経つ頃には、かなり貫禄のあるタオルになっていそうだ。
今の時点でも、このタオルを洗濯する度、はじめて娘が家にきた時や、上に寝せている時にミルクを盛大に吐き戻してびっくりしたことなどを思い出す。この調子で10年も一緒に過ごしたら、思い出がびっしり詰まったタオルになりそう。
タオルを推しにかえただけで、小さなしあわせを感じる瞬間がこんなに増えるなんて。こうして、タオル愛は日々深まっていく。