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ビジネスは所詮ゲームだ。という感覚が必要だという話

今のご時勢、経済的に苦境に陥っている経営者も多いと思うので、今日は少し精神論を。と言っても「重く考えすぎないで」という話です。

『コロナ禍』は人的に起こした経済被害のこと

このところ、政府のあまりの右往左往ぶりを見るにつけ、もう我々の想像をはるかに超える利権プレッシャーがあるんだろうなと思う毎日です。エビデンスなんて知ったこっちゃないと言わんばかりの、ゴールポスト動かしまくり。失業したら介護にシフトをって死んだ魚のような目で言われると、余計にいろいろ勘ぐってしまいます。今の経済被害は、明らかに人災ですね。

人流を抑制したら、飲食や観光だけではなく、あらゆる産業に影響を及ぼすことは当然です。私は普段、製造業の顧客と接する機会が多いのですが、製造業と言うのは、必要になってから発注が来るオンデマンド的な商取引ではなく、多くの場合、数か月程度先の需要を見越して在庫部品を作ります。パーツ毎に作る工場が違う中で、そうしないととても需要に対応できないからです。

しかし、緊急事態だのマンボウだのと行き当たりばったりで連発されると、先を見越せないので、ギリギリまで在庫分の製造を見合わせます。となると、それを請けている町工場は、途端に仕事がなくなるわけです。

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※私が撮った写真ですが、あくまでイメージです。

よくテレビなどで「製造業はそれほど影響を受けていない」と言われますが、あれはメーカーや大手商社の話であって、「将来需要」が見通せないことによる在庫調整が、二次請け、三次請けの工場にはダイレクトに影響するのです。その在庫調整は、もちろんコロナ(に関連する政府施策)による影響です

しかし、それはコロナの影響とはカウントされず、給付金対象にはならない。「飲食関連」くらいしか給付金は出ないので、コロナ融資を受けて何とか凌ぐ。そんな製造業も多いのが現実です。私は、製造業のクライアントと話すたびに、融資をどれだけ受けて、いつから返済か。現在、どれくらい受注が落ちているのかなど、まるで銀行員のような質問をします。もちろん、信頼関係があるからできる質問なのですが、その答えを聞いて、「いや、それ本当に大丈夫か」と心配になることもしばしばです。

社員が少ないところはまだしも、20人、30人となればそのプレッシャーは結構なものになるでしょう。しかも、労働集約型なので、仕事が戻れば人が必要。雇用調整助成金を活用して休んでもらうにしても、こういう仕事って急に来るんです。その時に、急遽「出てきてくれ」と言わないといけない。

このところ、各メーカーや商社の在庫が尽きたのか、末端の加工業も少し動き出していますが、小ロット、短納期が大半であるのを見ると、まだまだ「様子見」なのでしょう。もちろん、製造業だけではありませんよね。ECにシフトできない業種などは、必ず何らかの影響を受けています。

ビジネスは人間が作ったゲーム

そんな状況で、苦しい思いをしている人も多いと思います。今は明らかに政府の無策による影響ですが、長くビジネスをしていると、いろんな波がありますよね。いい波も悪い波も。波があまりないのは、恐らくほとんどチャレンジしない会社でしょう。成長を目指してチャレンジする以上、何らかの波は必ずあります

でもね、誤解を恐れずに言うと、別にそんなの大したことじゃないんですよ。会社(自営業含む)は、自分がやりたいことを実現するための舞台であって、仮にその舞台がなくなったとしたら、また別の舞台を作ればいいのです

ビジネスなんて、所詮人間が考えたゲームです。お金は、そのゲームのポイントのようなもの。そんなもので、命まで取られることはないんです。

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※プロスポーツも真剣勝負ですが、負けたら人生終わるわけではない

感性的な悩みはダークサイドに陥る

時にどうしても、一部に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。しかし、これまで経営してきて、逆に迷惑をかけられたことはなかったですか?何かあれば、どこかに迷惑をかける。またはかけられる。このゲームのプレーヤーは、そのリスクは織り込み済みです。自分が「かける側」になってしまったときは、誠実に謝罪するなり、可能であれば時間をかけてでも返済するなりすればいい。とにかく、そんな風に考えて、感性的な悩みをしないことです

別に酒やギャンブルが原因で、とかではなく、犯罪を犯したわけでもないんだから、堂々としていればいいのです。銀行員は見事に掌を返してクズ扱いしてきますが、そいつの顔と言葉を頭に叩き込んで、半沢直樹のように10倍返ししてください。彼らが考えているのは、所詮社内のポジション、会社からの評価です。

日本の場合、融資には個人保証がセットという悪習慣(改善の方向ではありますが、まだまだ根強い)があります。金融機関を守るための独自習慣であり、「法人は有限責任」という根本原則が、これにより有名無実化しています。これが日本でベンチャーが成長しない一因であり、感性的な悩みの根源でもあります。しかし、それでも、ちゃんとした金融機関から借りているのであれば、別に命まで取られることではありません

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※山口県の長者ヶ森。本文とは関係ないですが、定期的にリフレッシュにここを訪れます。

少し私事ですが、私は恐らくこれを読んでいる皆さんが想像するよりも、手酷い失敗を経験しています。そんなときは、突拍子もないことを言う奴も一定数出てきて、またそんな話に限って、まことしやかに流布するものです。みんなワイドショー見過ぎなんですよ。失敗したらそんな世間の風当たりが、と想像してしまって、それがプレッシャーになったりもすると思います。でも、正直、そんな世間の目なんて大したことないんです。事実も知らず、無責任極まりない愚者の戯言。行動する人間に対しては、失敗して欲しくてしょうがない人種です。大した人間ではなく、ガン無視で大丈夫です。

正直、私も『自分も相手もすべて赦す』的な菩薩の領域まで、とても到達していません。『こいつだけは絶対許さん』と今でも思っている相手はいます。しかも、無茶苦茶なことを言われても、本人(私)が反論したら余計にダメなんです。言い訳しているようで、嘘に信ぴょう性を与えてしまいます。なので、じっと我慢して怒りをガソリンに替えています。同時に、今度何かあれば即10倍返しする状況を整えています。そうしながら、それを次に向かうガソリンにすればいいのです。ダークサイドに引っ張られたらダメです

打ち手はある

私はM&Aアドバイザーもしていますが、なぜこれを始めたのかというと、苦境に陥っている経営者(売り手企業)に、思っている以上に打ち手はあることを伝えたいからです。土俵際に追い込まれると、目の前の選択肢が見えなくなるものです。

そんな時に感性的な悩みをすると、精神に影響を及ぼします。会社が傾いた時の経営者に、心臓発作の突然死が多いのはそのためだと言われます。強度のストレスにより、半ば鬱状態で視野狭窄に陥り、いくつもある選択肢に思考が向かなくなる同時に、体にも影響を与えてしまう

そんなことになったら、迷惑をかけた人にお返しもできなくなるじゃないですか。そんなときに、嘘の話を垂れ流して喜ぶ奴らなんて人間のクズ。放っておいて、復活してから10倍返しです。

繰り返しますが、ビジネスは所詮ゲーム。どうしようもなくなれば、リセットして、舞台を変えて、10倍返しだ!(しつこい)。今、コロナ禍で苦しい人も、このことだけは忘れないでください。


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