団地の家賃問題と支出減少現象
「団地」というと「家賃が安い」と思っている人が大半だ。「団地に住んでいる」というと、明らかに「ああ気の毒に」という表情を浮かべる人もいる。言わないだけで、蔑んでいるのかもしれない(だから私は団地住まいなことは人を選んでいうようにしている)
そんな人に会う度に説明するのが「団地、家賃高いです」。
県営・市営などの公営住宅も団地だし、古いマンションを「団地」と呼んでいる人もいる。私の場合はUR・旧住宅公団だ。
URの団地はたいていが古くなり、「コーシャハイム」というとても素敵なマンションになっていて、そんな立て替えの新しい建物は通常のマンションと同じだし、私の住んでいるような築古の団地でも「少しだけ」アパートと比べて安い程度だ。個人的には築古で色々ぼろが出ていて、なによりも民間の賃貸契約と異なり、畳など古くなったものは貸主が負担するのではなく基本自分(借主)が負担する、というのもとても納得いかない。不自由も多々あるのに(とても不満なこともたくさんある)それでこの値段は高いんじゃないか??と常々思っている。
私個人も前の家に比べて、都心からも駅からも遠いのに、2万円家賃が上がっている。前の家が安すぎだ、というのもあるけれど、、
同じ団地に長年当住んでいる方も年々家賃があがってきたようで、しんどそうだ。私が話した方は40年同じ部屋に住み続けているけれど、1万5千円だった部屋が現在は7万円強、とのこと。。
その方のおうちに一度お邪魔したことがあるが、老朽化した設備のほとんどが自己負担になるため、自己流で整えていた。例えば畳も変えられないのでカーペットを重ねたり、傷ついたドアなども自分でペンキを塗っていた。
そういう姿を拝見すると、自分も今は快適でも、だんだん不満が募ることも容易に予想される。
しかししかし、私のこの8か月をみると・・
家賃があがったのに、どうやら月の総支出が少なくなったようなのだ。
といっても家計簿をつけているわけではなく、肌感覚でしかないのだけれど、毎月の残高をみて以前は苦しんでいたのに、団地に引っ越してからはそういう胸が苦しくなる経験はない。2万円支出が増えたというのに。
それに住居が変わったことで新たに必要になった家具などの設備とか、ベランダを履く箒に至るまでちょこちょこしたものをかなり買っていたというのに。
なぜか。
家計簿をつけてないので肌感覚でしかないのだけれど、
「家にいる時間が快適なので、外でうろちょろしてお金を使うことが少なくなった」から。
以前は週3~4回くらい「仕事をする」「読書をする」「気分転換」と多様な目的でカフェに行っていたのに、
「家からの景色を眺めながら家で珈琲を飲んだほうがいい」とそそくさと家に帰る。元々飲み会が苦手で、いや、ただの協調性のなさで飲み会がすくないのだけれど、コロナを経てほぼ飲み会がなくなり、人と会ってごはんを食べる機会も少なくなった。
また団地の最寄り駅を降りても、みごとに何もないので、「ふらふらとお店に立ち寄り、ついモノを買ってしまう」ということが見事に少なくなった。
引っ越し前の家は途中に雑貨屋さんがあったりおいしいパン屋さんがあったけれど、そんな魅力的な障害物が全くない。。
そうこうするうちに物欲や、どこかに行きたいという欲求が少なくなっていた。すっかり出不精だ。
これはこれで、大変まずい。まだ老後でもないんだから、世の中から刺激を受けてセンスを磨いたりしたい。影響を受けなければ。
でも確実に言えるのは「消費型社会からの脱皮」を自分はできていると思う。
つくづく自分は都会に向いてなかったのだ。
ああ移住したい。
どこに行っても食べれるスキル。これが私の一番欲するものだ。