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“写真映え“のモネ、おいしいパリのフォーの店(2025年1月2日 パリ5日目②)

いまだに不思議なのが、パリのオランジュリー美術館で見たモネの絵だ。

パリ滞在5日目、美術館めぐりをしようと考えた私は、ロダン美術館からパリ市立近代美術館をはしごし、オランジュリー美術館へ向かった。いろいろな美術館へ入館できるチケットを持っていたけれど、この美術館に関しては、さらに時間の予約を取っておいた。

私の予約は12:30の枠。小雨が降る中、セーヌ川沿いを小走りで向う。オランジュリー美術館周辺の地面は白っぽい土になっていた。黒いブーツの縁が湿った砂で白くなる。時間予約を取っていない人とそもそもチケットを取っていない人たちは、雨の中、長蛇の列を並んでいた。

美術館の中の壁は白く、入ってすぐの大きな楕円形の展示室にはモネの絵が飾られている。

繭の中のような空間はほんのり薄暗く、柔らかい感じがした。

モネの絵は有名だけれど、まじまじと見たことはなかった。好きか嫌いかと言われると、どちらでもない。嫌いというほどではないけれど、やたらと有名なわりに、私にはどこがいいのかよく分からないという感じだ。

この展示室には、カーブ状の壁に大きな長方形のモネの絵が飾られていた。水面に映る空や木々が描かれているのはわかるが、なんだか「ぼや〜」っとしている。

一応写真だけは撮っておこうとスマホ越しに絵を見て驚いた。裸眼では何を描いているのかよくわからなかったのに、スマホのレンズを通すと絵が鮮明になったのだ。

水面に映る雲が、青空が、よく見える。水の揺らぎも、浮かぶ花びらや揺れる葉も、はっきりとしている。これは一体なぜだろう?
なにはともあれ、本当に不思議な体験だった。

絵が大きすぎて、裸眼では絵全体を捉えられなかったのか。それともヨーロッパ人と日本人では、捉えられる光、つまり色が異なるのか。とするとスマホのカメラが捉える光は西洋人のそれに近いのか。

美術館のあとはパリの友人と合流し、マレ地区で有名なフォーが美味しいお店に行った。店の前には長い行列が出来ている。小雨の中、震えながら順番を待つ。今日もそこそこの列の長さだが、ファッションウィークの時期はさらに大盛況だという。しかもお昼から午後の数時間しか空いていない、強気の経営だ。

フォーができる前に山盛りの生もやしとミントが運ばれてくる。

フォーが来たら、そのもやしとミントを入れて食べるのだ。テーブルには甘いソースや辛いソースが置かれていて、味変ができる。量はそれなりにあったけれど、ペロリと食べてしまった。

この日はあいにくの雨だったが、オランジュリー美術館は、晴れていると外の光が入ってまた違う美しさだという。友人が教えてくれた。
次は天気の良い日に、モネの絵と美味しいフォーを味わいたい。

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