不安な夜は
昨夜は12時前に布団に入ったというのに、なんだか眠れなくなってしまった。
お金のこととか、将来のこととかがモヤモヤと気になって、落ち着かない。この類の心配事は、普段は存在さえ忘れているのに、ある時急に気になり出して頭から離れなくなってしまう。
「漠然とした悩み」と言われればその通りだし、だからこそ漠然と不安になるのだけれど。こんな時は寝ようと努力しても大抵失敗するので、腹を決めて不安になってしまう原因を考えてみることにした。
私はどうやら、他人に言われたことに影響されて不安になることが多いようだ。自分の物差しだけで測っているときは不安にならないことでも、別の物差しを持って来られると、なんだか混乱してしまう。色々な視点を持つことは大事だし、自分が思ってもみなかったリスクを教えてもらうことは大変ありがたいのだけれど、私はどうもぐらつきやすいのだ。
とても不思議なのだが、自分が肌感でリアルに不安と思っているものよりも、他人が持ちかけて来た「どうやら不安らしいもの」の方が不安に思えてきてしまう。そもそも「はっきりしないもの」「分からないもの」というのは、それだけで不安を煽りやすいから、当たり前なのかもしれない。しかし、例え「どうやら不安らしいもの」が近づいてきても、自分が何を一番大切にしているか、というところがしっかりしていれば、惑わされることはないのではないだろうか。
それができれば、他人が教えてくれる不安も、そもそも不安としてカウントしなくて良いものだった、という結果になることだってあるだろう。自分は何がしたいのかな? どんなふうに生きたいのかな? 何を一番大切にしたいのかな? その物差しを、冷静に携えて生きて行きたい。そう思った。
布団の中で、その答えに辿り着いた時、私のお腹が「ぐ〜ぅ」と鳴った。夕食をいつもより早めに食べたせいで、お腹が空いてしまったようだ。
お腹が空くのは健康な証拠だ。今のところ、私には健康があるじゃないか。なんだかんだ、元気であることが一番なのかもしれない。元気なら発想が前向きになるし、気力があればお金がなくても知恵を絞って生き延びられるだろう。よし、とにかく健康に生きることを、一番に掲げよう!
コンビニで買ったタマゴボーロが一袋、戸棚にあったのを思い出した。
その後"夜中の間食(完食)"という罪悪感に苛まれることもなく、心身ともに満たされた私は、ぐっすりと眠った。