読書メモ 「新装版 花田少年史 5 番外編」
「新装版 花田少年史 5 番外編」
一色まこと 著
講談社 2015年
番外編が収められた第五巻、純粋に泣ける。遺された者の悔恨と救済が、胸にせまる。
「男の約束」を果たせなかった洋平だが、苦い思い出を胸に、それでもメロンの仔たちを育てながら成長していくのだろう。
一方、父親が死んだのは自分のせいだという思いを抱え続けていたタカヒトは、グローブをきっかけに父親と、そして自身の真実の気持ちを知ることになる。
幽霊は、いるのかいないのか ——。
遺された者のやり切れない思いが夢を見させたのかもしれない。しかし形が消えたからといってすべてが終わりなのか、そんなはずはない、と私は思う。死は終わりではない、始まりなのだと『花田少年史』は語っているように思える。
もうすぐクリスマスがやってくる。
楽しいことが大好きだったダンナも、きっとそばにいてくれるはずだ。