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保育士の寝かしつけ虎の巻

こんにちは。こころと子ども研究家ともこです。

子育てで多くの方が悩むことベスト3に入るであろう「寝かしつけ」。

我が家も、ご多分にもれず、けっこう困りました。。。

息子は、赤ちゃんの頃は、1回のお昼寝の時間が短く、

「寝た〜!」と思って、自分も昼寝しようとしても、横になってウトウトし始めた頃には、「ふぎゃー」と起きてしまう。

幼児になってからは、好奇心旺盛で起きているのが楽しすぎるのか、明らかに眠くなっているのに、なかなか寝ない。

寝室の電気を消した後も、布団の上でゴロゴロあっちこっちに転がるわ、歌を歌い出すわ、寝室から出ようとするわ…

もともとロングスリーパーの私は、出産後に自分の睡眠時間が十分とれないことで、だいぶストレスが高くなりました。

わかっていたこととはいえ、心身ともにキツい。。。

で、睡眠に関する本を読んだり、色々な工夫を試してみました。

そして、保育園での仕事もするようになって、色々なお子さんの寝かしつけもしていく中で、

他の保育士さんの技も見たりしながら、寝かしつけのコツというかポイントが段々とわかってきました。

ということで、今回は、その辺をまとめて「寝かしつけ術」と題してお伝えしていきます。

ちなみに、

チャイルドシートに乗せてドライブする、
抱っこ紐で散歩する、

とかは割と寝やすく、寝かしつけというより、自然と寝る感じなので、

基本、部屋で寝せる場合を想定しています。

一口に「寝かしつけ」と言っても、お子さんによって傾向が違うので、それぞれのお子さんに当てはまる部分を参考になさってみてください。

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眠くても寝られない!?


まず、大前提として、意外と知られていないのが、大人は眠くなったら自分で寝られるものですが、子どもは基本的にはそうではないということです。

また、物理的にも精神的にも、外側の環境の影響をものすごく受けるので、本能的には寝たくなっていても寝られない状態になる、ということもあると思います。

睡眠に大切なメラトニンというホルモンもまだ自前で上手に出せず、眠くなっていても、自分で寝るモードになかなか入れないのです。

お子さんによって違いはありますが、月齢によって、起きていられる時間の長さはだいたい決まっています。

長く起きすぎていたり、疲れすぎていると、脳内にストレスホルモンが増えて、グズりやすくなったり、睡眠の質が落ちたりしてしまいます。

目をこすったり、あくびをしたり、動きが雑で荒くなってきたりしたら、機嫌良く遊んでいても、「本当は眠いよー」のサインです。

サインをキャッチして、限界になる前に寝かせてあげることが、質のいい睡眠をとれるようにして脳・体・心の発達を支えるために大切です♪

まずはベースづくり!

寝かしつけは、実は、「寝室に入る前」から始まっています。

寝かしつけをスムーズにしていくには、ベースとして「寝やすい環境」を作ることがまず大切。

これは、どんなお子さんでも同じです。

子どもは基本的に「外側」に意識が向いているので、外側に刺激があると、寝るモードに入りにくくなります。

「自分で動く」活動でエネルギーを消費する

赤ちゃんは、手先も含めて、体を動かすことで脳を発達させています。

走り回ったりする運動でなくても、集中して手先を動かしたりして、自分で自分の体を動かすと、エネルギーも消費されます。

大人がなんでもやってあげたり、ベビーカーに乗せっぱなしだったり、ただ動画などを見ているだけだと、健康的に疲れることができません。

日中に適度にエネルギーを使って疲れることができるようにすることで、眠るための準備になります。

ゆったりモードで過ごす

寝る前に興奮するような遊びをしたり、楽しくなりすぎると、なかなか脳が寝るモードに入らなくなります。

子どもがキャッキャと笑ってくれると、ついついもっと遊びたくなってしまいますが、寝かしつけを早くしたいのであれば、寝る前はガマンです(笑)。

大人が落ち着いた声やトーンでゆったりモードで接することで、こどももリラックスしやすくなります。

「いつもと同じ」でリズムをつくる

小さな子供は、「眠くなったら寝る」という発想がまだないので、体が眠くなっていてもなかなか寝るモードに入れません。

そこで、毎日決まった流れの「ルーティン」を決めておくことで、

「あ、これから寝るんだな」

と予測できるようになり、寝るモードに入りやすくなります。

我が家の例で言うと、大まかには

夕飯を食べる
→歯磨きをする
→YouTubeを10分見る
→お風呂に入る
→絵本を選んで寝室に行く
→絵本を読む
→消灯

という感じにしていますが、子どもの発達に伴って、徐々に変化させていっています。

小さな子どもは、

「いつも同じ」

だと先を予測できるので、適応しやすくもなります。

毎日の流れが決まっていると、精神的にも安心してリラックスしやすくなりますし、体のリズムもできていきます。

ちなみに、体が寝るモードに入るには、体の深部体温を下げることが大事だと言われています。

体温を一回上げると下がりやすくなるそうで、

お風呂を出てから1時間くらい空けてから消灯にすると、寝やすいようです。

保育園ではお昼寝できる

というのは、

・ルーティンが決まっている
・午前中の活動で体力や頭を使っていたり、体温が上がっている
・他の子も一緒に寝る
・寝る部屋に刺激が少ない

という環境の部分の影響も大きいように感じます。

もちろん、ママやパパと違って、

「保育士には思いっきりわがまま言ったり甘えたりできない」

と子どもなりにわかっているから、というのもあるかと思います。

寝やすい部屋とは?

大人もそうだと思いますが、子どもは特に、「楽しいこと」「面白いこと」「興味が惹かれること」があると、そちらに意識が向かってしまい、

「寝るより、こっちがいい!」

となります。

まず、寝る部屋には、そういった刺激になるものは置かないのがベストです。

・おもちゃ
・その日に読まない絵本
・動くもの
・音が出るもの
・光るもの

などは、ないほうが寝かせやすいです。

でも、

「お気に入りのぬいぐるみがないと寝ない…」とか、
「家の広さの関係で、物理的に寝室におかざるを得ない…」とか、

そういった事情がある場合もあるかと思います。

お子さんが持っていたほうが安心してリラックスできるものであれば、おもちゃを持っていくのもいいと思います。

また、刺激になるものが寝室に置いてある場合は、シンプルな布をかけたりして目隠しするのもひとつです。

また、寝る前に過ごす部屋は、大人にはちょっと暗いぐらいにしておくと、体が寝る準備をしやすくなります。

目に明るい光が入ってくると、脳が醒めてしまうのです。

TVやYouTubeなども、脳を刺激してしまうので、寝る前は避けたほうがいいですし、携帯の画面も明るすぎるので、要注意です

また、子どもは、大人よりも体温が上がりやすいので、大人にとっては涼しめに感じるくらいの室温にしておいたほうが寝入りやすくなります。

寝入った環境のままにする

寝かしつけで色々な工夫をして、「やっとこそさ寝てくれた!」と思っても、睡眠が浅くなった時に寝落ちした時と環境が変わっていると、不安でパチッと起きてしまったりします。

なので、ホワイトノイズや音楽を聞かせる場合、起きるまでかけっぱなしにしておく必要があります。

照明も、寝入った時の明るさのままにしておくほうがいいです。

抱っこでの寝かしつけも同様で、抱っこで寝落ちしてから布団に降ろすと、睡眠が浅くなった時に「抱っこされていない!」と起きてしまいやすくなります。

なので、できれば、布団に横になって寝落ちできるようにしたほうが、長く寝られるようになると思います。

そのためには、布団で寝かせようとして多少泣いても、すぐ抱っこしないで、布団で寝る練習をする必要があります。

最初は、寝落ち寸前まで抱っこして布団に置くようにし、徐々に布団に下ろすのを早くしていきます。

布団に下ろしたら、優しく声をかけたり、トントンやマッサージをしたりして、様子を見ます。

激しく泣いて興奮してしまうようであれば、また抱っこで落ち着かせて「お布団で寝ようね」など声をかけて、また降ろす…ということを少しずつやっていって、

「布団で寝るもの」

ということを子どもに伝えていくことで、徐々に抱っこ無しでも寝られるようになっていきます。

ザ・寝たふり作戦

あと、意外と有効ではないかと思うのが、

大人も一緒に寝る

ということ。

よく、

「親が先に寝落ちしてたら、いつの間にか子どもも寝ていた…」

という話を聞きます。

子どもは周りの影響をとても受けるので、周りが寝ていると寝るモードに入りやすくなります。

また、寝かしつけをしている人のエネルギーにも敏感です。

大人がイライラしていたり、せかせかしていると、それが子どもにも伝わって、なかなか寝るモードに入らなくなります。

なので、寝かしつけの時は、「寝かそう!」と頑張るより、こちらも「ぼーっとしてる」くらいの感じでいるのがおススメです。

夜の家事などで、子どもが寝る時間に寝られない場合は、

「ザ・寝たふり作戦」

もオススメです。

話しかけられても何しても「寝たふり」を貫く忍耐力はいります(笑)

あと、寝たふりのつもりが、寝落ちしてしまう…ということも起きますが(笑)

子どもが「なんだ寝ちゃったのか。つまんないな」と感じると、寝るモードに入りやすくなります。

トントンのあれこれ

寝かしつけというと、「トントン」というのが昔からの定番ですが、これもまた、色々あります。

触られる刺激に敏感で、トントンすると寝なくなる子もいるので、お子さんの反応によって、使い分けが必要です。

リズム

トントンのリズムの速さは、その子の状態に合わせます。

まだ興奮気味の子には、ちょっと早めのトントンをします。

しばらく、同じリズムでトントンし続けて、落ち着いてきたなぁと感じたら、スピードを落としていきます。

最初から寝そうでボーッとしている子には、ゆっくり優しいトントンをします。

強さ

基本的には、優しくトントンが寝やすいのですが、子どもの状態によっては、それでは効果がないこともあります。

自分の世界の中で楽しくなって盛り上がっている子
落ち着きがない子

とかは、ちょっと強めにトントンの刺激をすることで、

トントンのほうに意識を向けさせる必要があります。

刺激が弱すぎると、興奮状態がなかなか収まりません。

場所

トントンする場所は、その子によって好みがあるように思います。

ただ、

優しくトントンの時は、胸、背中、お腹の辺り

強めのトントンの時は、腰の辺り

のほうがいいようです。

落ち着かせたい時は、腰とか仙骨の辺りを刺激してあげると効果的な感じがしています。

マッサージ術

トントンで寝ない場合や、トントンを嫌がる子には、マッサージも効果的です。

仰向けであれば、胸のあたりをやさしくゆっくりさすってあげる
横向きや抱っこであれば、背骨に沿って上から下にやさしくさすってあげる

そうすると、気持ちが落ち着くのか、眠くなっていく子が多いです。

まだ足が冷たかったり、寝るモードに入っていない感じの時は、頭のほうにいってしまっているエネルギーを下に下げるため、足のマッサージも効果的です。

上から下にむかって、ゆっくり優しくなでるようにマッサージをします。

お子さんの体の大きさや好みによって、上半身からでも、お腹からでも、太ももからでもいと思います。

それでも、

手遊びなどをしていてそちらに意識がいってしまっている
独り言でおしゃべりをしている

というような場合、手の甲や足の甲を優しくさすってあげたり、腰のあたりに手を当てて軽くゆらゆら揺すってあげると、寝ることが多いです。

また、

眠そうだけど、なかなか目を閉じない。
周りを気にして見ている。

という風に、目からの刺激で起きている時は、眉間のあたりをさすったり、おでこを上から下にゆっくりなでたりするのも効果があります。

手の動きで視界が遮られるからか、手の動きにつられて目をつぶるからか、自然と目をとじやすくなるようです。

まだボーっとしていない時は、嫌がる子が多いので、「眠くなってきたみたいだなあ」と感じてからがおススメです。


ぐずって寝られなくなっていたら

たて揺れ抱っこ

あくびしていたり、目をこすっていたり、ものすごく眠そうなのにギャーギャー泣いて寝ない。

声掛けしても全然ダメ。

半分起きて半分寝てるような、おそらく本人も混乱状態みたいになってる時は、私の体験的には、

抱っこで「たて揺れ」

が効果的です。

胎内にいた時や抱っこ紐で抱かれていた時にお母さんが歩いていた時のような「たて揺れ」を抱っこしながら再現します。

ちょっと筋力はいりますが、たて抱っこをして、歩くくらいの速さでゆっくりとひざを使って軽く上下に揺らします。

そうすると、「ギャー」となっていた子が、ストンと寝落ちすることがよくあります。

ただし、速く強くやりすぎないように注意が必要です。

強く揺らしすぎると、特に乳児のお子さんは、揺さぶられっこ症候群になって脳にダメージを受けてしまうリスクがあります。

見通しを伝える

「遊びたい!」「寝たくない!」という気持ちが強くて眠くても寝ない子には、

「ねんねしたら、また遊ぼうね」
「お昼寝が終わったら、おやつだね」

など、寝た後の楽しみを想像できるような声かけをすると、抵抗が少なくなったりします。

背中スイッチ対策

抱っこでは寝てくれるけど、布団に置くと泣いてしまう

というのはよくありますよね。

まず、睡眠が浅い時に置くと感づかれます。

なので、寝落ちしてから5分くらいはそのままの状態で抱っこしておきます。

お子さんによっては、10分くらいたってからのほうがいい場合もあります。

だいたい、それくらい経つと眠りが深くなり、

完全に力が抜けたな
呼吸が変わったな
ちょっと動かしても反応しないな

という感じになって、布団に降ろしやすくなります。

それでも降ろすときに泣いてしまう場合は、

抱っこの姿勢をキープしたまま降ろす作戦

です。

抱っこでぎゅっと体を密着させたまま、布団の上に座り、ゆっくりと体を倒していきます。

抱っこしている腕が布団についたら、そのまま少し待ちます。

泣いたり動いたりしないのを確認して、体は密着させたまま、できるだけ子どもが動かないようにゆっくりと腕を抜いていきます。

「ふえ~」となりそうになったら、軽くトントンしたり、もう少し密着させたまま待ちます。

腕を全部抜いて様子を確認し、大丈夫そうだったら、ゆっくりと体を離していきます。

できるだけ子どもの足は曲げたまま、なるべく動かさないようにしたほうが起きにくいです。

自分の足の上に子どもの足が乗っている場合は、子どもの足を曲げた状態のまま持って、自分の足を抜いてから、ゆっくりと布団に置きます。

あと、冬場は、布団が冷たいとその刺激で起きやすくなるので、抱っこしながら布団の上に座って温めておいたりするものおすすめです。

そんなこんなやってもダメな場合は、あきらめて、抱っこ紐でおんぶです(笑)

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最後に、私が我が子の寝かしつけについて困った時にお世話になった本もご紹介しておきますね。

ママと赤ちゃんのぐっすり本 「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド

すぐ寝る、よく寝る赤ちゃんの本

私の学んだことや体験から、寝かしつけの技を色々と書いてみましたが、どれがそれぞれのお子さんに合うのかはやってみないとわかりません。

なので、「あの手この手」で色々と試してみるしかないのですが、引き出しが多いほうがヒットする確率は高くなりますので、この記事が参考になれば嬉しいです。







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