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文学フリマ京都その後➀。近藤弥生子さんのVoicy読書会
はじめて参加した文学フリマ京都から1か月が経ちました。
はじめて作ったエッセイ『父の片思い』のその後の話です。
「読んで」と言えなかった
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この本は認知症だった父との思い出を綴った極めて私的なエッセイです。
親の老いに向き合っている方に届けたいという思いと、自分が渦中だった頃や父を見送った直後に「介護」「認知症」というワードを目にしたときの胸がぎゅーっとなった苦い記憶が行ったり来たりしていました。
実際にはそんなに重い内容ではないのです。でも、やっぱり軽いノリで「読んでくださいね♩」と積極的に発信することがちょっとできませんでした。
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ライスワークの広報誌制作の仕事が繁忙期でヘトヘトだったりで、あっという間に日が経ってしまいました。
そうこうしているうちに、instaやnoteを見てくれた方や友人たちから読んでみたい、とメッセージをいただくようになりました。
夜、仕事から帰ると帯を巻き巻きしてはポストに入れる、という日々がしばらく続きました。
思ってもみなかったことは、このありふれた物語に皆さんが温かい感想を寄せてくださったこと。それも、届けてすぐに。
私は感情を整理したり言語化するのにものすごーく時間がかかります。これはコンプレックスでもあります。
感謝とうれしさ、ほっとする思い、それから「この方がこんな風に思ってくれていたんだ」という驚き、本からはみ出した父との思い出。
元仕事仲間からのメッセージには、当時の色々なことを思い出したり。
いろんな感情が一気に押し寄せて、ここ1か月は心身、脳内がほかほかの(いい意味で)パツパツでした。
近藤弥生子さんのVoicyにて
もたもたしているうちに、背中を押してくれる方が登場しました。
近藤弥生子さんのVoicyリスナーさんのコミュニティー内で、本の購入を募るフォームを作りませんか、と提案してくれる方が現れたのです。
そして、夢のような出来事が起きてしまいました。
2月21日(金)。近藤弥生子さんがVoicy(音声プラットフォーム)の生放送で『父の片思い』の読書会を開いてくださったのです。
近藤弥生子さんは台湾在住のノンフィクションライター。
オードリー・タン関連はじめ数々のご著書や、最近では雑誌&Premiumの台湾特集号などでご活躍です。
私は台湾が好きで、台湾の今を発信されている近藤さんのVoicyを愛聴しています。普通のおばちゃんの私が読書会活動を始めたのも、コロナ禍に出会ったご著書『オードリー・タンの思考』がきっかけでした。
声の読書会は近藤さんのアイデア。
事前にリスナーの方から寄せられた感想を近藤さんが読み上げ、私がお返事するというスタイルでした。
オイオイ、大丈夫かいっという感じでしたが、近藤さんのリードと、皆さんの感想の言葉の力がとにかくすごくて深くて、胸熱。じーんとしながらもなんとか乗り切れたかな…、と思っています(たぶん。自分の声がキライすぎて怖くて聞き返せない)
ほっこり懐かしいこの感じはなんだっけ?
そうだ、中高生の頃、耳をすましていた深夜ラジオのようでした。
介護の経験がある方、これからの方、介護のお仕事をされていた方。お一人ひとりがそれぞれの経験や日常に照らし合わせてエッセイを読んでくださり、こうして感想を言葉にして届けてくださるということが本当にありがたく、かけがえのない時間になりました。
老人ホームにいるお年寄り一人ひとりに物語があるのと同じく、何もないような顔をしてそこにいる誰もが、外からは見えないかけがえのない物語を生きているんですよね。それを言葉にするということのもつ意味を知りました。
このことについては、どうしても伝えたくて読書会の最後で語らせていただきました。
最初の方では私、「御座候」を連呼しているようですが…。
※読書会の回はプレミアム会員(有料)限定放送です。
通常放送は無料ですのでぜひチェックしてみてください!
本の購入や感想のフォームを作ってくださったり、折にふれてサポート&アドバイスしてくださったのは、リスナーの一人、サカモトさんです。背中をどんっと押していただきました。ありがとうございました。
BASEはじめました
初刷り残りわずかになりました。よろしければ。