社会問題は、自分のなかにある?
社会問題が自分のなかにある、という意味、おわかりになりますか?
生まれてきた娘が障がいを持っていると知った時に、それに気づきました。
「障がいがあったら、娘は幸せに生きることはできないのではないか」
「親や姉妹が娘の障がいのことを知ったら、悲しむだろう」
そんな思いが自分を苦しめました。
しかし、蓋を開けて見ると、社会はもっと温かく娘を受け入れてくれました。
家族の中で誰ひとり、私を責める人はいませんでした。
自分がいかに、「障がい者」に偏見をもっているか。差別をしているか。
それを思い知ったのです。
それから、世の中の社会問題は、実はまったく別のところに問題があるのではないか?と考えるようになりました。
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社会課題を考えるウェブサイトなどを手掛ける、武蔵野美術大学教授の清水恒平さんにインタビューしました。
清水さんは「認知症」「人口減少」などの社会課題を、自分事として考え直せるウェブサイトのデザインを手掛けてきました。
清水さんはこう言います。
「認知症による本人の問題行動よりも、
周囲の人が「認知症になったら何もできなくなる」という固定観念にとらわれていることが、
問題として大きかったりします」
認知症の人が見ている世界を、少しでも理解できたら、
もっと家族や周囲の人は、サポートしやすくなる。
このような信念のもと、『認知症世界の歩き方』のウェブサイトは作られました。
認知症の方々の見ている景色が想像できるアニメーションなどを展開しています。
見ている人が「認知症とはこんな感覚なのか。だったら、自分としてはこういう工夫(サポート)ができる」と
想像してもらえるように。
そうすると、よく言われている「認知症による問題行動」という問題が、少し減りますよね。
その問題、あなたの中にもあったんです。
なんだ、自分が変わればよかったんじゃん!と。
ご興味があったら、ぜひご覧くださいね。