優れたマーケティングコミュニケーションの裏側をトレースすること
最近、優れたマーケティングコミュニケーションをトレースすることを習慣化しています。
自分が良いなと思った広告・動画などがあったら、Miroで要素分解をして発見を書き出すと、インサイト発掘トレーニングになるのでオススメです。 pic.twitter.com/QsKfzS5B9o
— 黒澤 友貴 (@KurosawaTomoki) July 14, 2024
世界で評価されている広告表現は、どんな戦略意図に基づいてつくられているのか？を読み解くトレーニングを繰り返すことで、「戦略と表現をつないで考える力」を磨いていきたいと考えています。
トレースする上で参考にしているのは、クリエイティブブリーフの型です。
クリエイティブブリーフとは？
クリエイティブブリーフは、広告制作の設計図と言われており、以下8つの要素で構成されます。
参考にしているのは、書籍「手書きの戦略論」は、マーケティングコミュニケーションの普遍要素が書かれている書籍で、クリエイティブブリーフについても詳しく触れられています。
広告の目的: 広告を通して達成したい具体的な目標。例：トライアル率の向上、ブランドイメージの改善
ターゲット: 広告のメッセージを届けたい理想の顧客像。属性、行動、意識などを具体的に記述。
現状: ターゲットが現在ブランドに対して持っているイメージ。調査結果などを活用。
将来像: 広告を通して変えたいブランドイメージの目標。
コンシューマーインサイト: ターゲットの深層心理や欲求。現状から将来像に変えるための鍵となる。
プロポジション: ターゲットに伝えるべきブランドからの提案。ブランドを主語として記述。
信じられる理由: プロポジションを裏付ける根拠。商品の特性や性能、企業イメージなど。
トーン: 広告の語り口や雰囲気。説得調、エンタメ調、共感調など。ブランドパーソナリティを表現する場合も。
このクリエイティブブリーフの型を使って、海外のマーケティングコミュニケーションを読み解くことにハマっています。
クリエイティブブリーフの発想でトレースしている例を紹介したいと思います。
Nike - Never Done Evolving, ft Serena
ナイキによるAI時代のマーケティングコミュニケーションの代表作です。
カンヌライオンズ2023でもデジタルクラフト部門でグランプリを受賞をしています。
ナイキのマーケティングコミュニケーション概要
AIを活用して、2022年に引退した伝説的なテニスプレイヤーであるセリーナ・ウィリアムズの試合のデータと映像を分析してアバターを作成する研究結果をコンテンツとして発信するプロジェクト。
研究では、彼女のプレースタイル、意思決定、ショット選択、反応性、回復力、敏捷性をキャリアの異なる時代を通してモデル化することで、なぜセリーナは長年にわたって活躍し続けることができたのかを解明していったとのこと。
なんと…
5000試合分のシミュレーションの結果から17歳のころよりも35歳のセレーナの方が優れており、彼女が進化し続けていたということが導き出されたとのこと。
Nike - Never Done Evolvingのクリエイティブブリーフ
NIKEのコンテンツのクリエイティブブリーフを実践してみます。
