安倍首相「枝野さんに助けられた」立憲民主党の“国民切り、社民歓迎”の戦略
立憲民主党と国民民主党の合流が挫折した件、私は正直ホッとしています。というのも、立憲民主党(特に枝野代表)には本気で合流する気が合ったようには思われないからです。
無論、選挙戦略としては野党が結集した方が良かったでしょう。今回、安倍首相も枝野代表が合流を巧みに“妨害”してくれたことへ感謝しているようです。
安倍首相「枝野氏に助けられた」(時事通信)
今回、ネット上では「国民民主党が合流を妨害した」というような記事が載っていますが、実際に合流を妨害していたのは、立憲民主党の方です。時事通信も次のように報道しています。
与野党攻防緊迫化の中での野党再結集の失敗は、「与党にとっては朗報」(自民国対)だ。
自民党の二階俊博幹事長は「合流しようがしまいが、どうぞご自由に」と無関心を装ったが、「桜を見る会」や「IR汚職」で苦境に立つ首相は、「枝野氏に助けられた」と周辺に漏らしたとされる。
「与党の嫌がることをするのが野党の役割」(自民長老)との永田町の政治論から見ると、今回の合流見送りは「わざわざ敵に塩を送った」(同)と揶揄(やゆ)されている。
そもそも、枝野幸男氏は一貫して「非自民勢力の分裂」を図ってきた政治家です。過去の例を挙げると、
・民主党・自由党の合流に反対
・消費税増税・原発再稼働を主張して民主党を分裂させる(で、今は枝野氏本人が「増税反対・原発反対」を言っているんだから、その変節には呆れるほかない。)
・民進党の希望の党への合流を妨害して立憲民主党を結成
・昨年の参院選でも2人区での選挙協力をせず、静岡県ではなんと徳川将軍家の末裔(御曹司)を公認して野党を分裂(無論、静岡県選挙区では自民が勝利)
という感じで、封建時代の支配階級の人間を擁立する「リベラル」には笑ってしまいますが、そこまでして野党結集を妨害したいのが、枝野幸男氏なのです。
社民党を「合流交渉」に加えた理由
私が今回の合流交渉が破綻すると確信したのは、次の記事を読んだ時です。
立民・枝野代表、合流協議を提案 国民、社民持ち帰り検討
2019/12/6(金) 16:17配信 共同通信
立憲民主党の枝野幸男代表は6日、衆参両院で統一会派を組む国民民主党の玉木雄一郎代表、社民党の又市征治党首、無所属の野田佳彦前首相と国会内で会談し、合流に向けた協議開始を提案した。枝野氏は「一つの政党として発展していく方向性を取れないか、検討してほしい」と呼び掛けた。又市氏が会談後、明らかにした。各党首らは立民の提案を持ち帰って検討する考えを伝えた。
次期衆院選で自民党に対抗するため、会派を政党に衣替えし、態勢を強化するのが狙いだ。ただ立民が主導する形の合流は、7月の参院選で立民と争った国民の参院側に反発が強く、意見集約が難航する可能性がある。
ここでどうして立憲民主党が国民民主党だけでなく、社会民主党も合流交渉に加えたのか、がポイントです。
かつて素晴らしい!習近平国家主席「国賓待遇」を批判した玉木雄一郎・国民民主党代表でも述べたように、国民民主党は保守色の強い政党です。もしも立憲民主党と国民民主党が対等に合併するならば、少なくともその過剰な左派・リベラル色は薄めないといけません。
一方、社会民主党は元祖・左翼政党です。立憲民主党と国民民主党の二党だけでなく、社会民主党をも交渉に加えると合流交渉は必然的に「左派」に有利となります。
無論、そんな条件を国民民主党は呑めないでしょうから、交渉は決裂します。そうすると野党結集を妨害するという立憲民主党の目的は達成でき、かつて社会党が保守系野党の民社党を抜きにして自民党と「自社国対政治」を展開したように、立憲民主党も野党第一党としての甘い汁を吸うことができるようになります。
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