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大阪府議選で山田健太先生が再選した意義

 大阪府会選挙枚方市選挙区では、立憲民主党大阪府連副幹事長の山田健太先生がなんと、前回よりも得票数を増やして再選されました。
 前回は最下位での当選でしたが、今回は立憲民主党に逆風が吹いている中での2位での当選です。公明党公認候補と維新二人の内の一人よりも多くの票を獲得しました。
 一方で自民党は国政与党であるにも拘らず、また枚方市は特に立憲民主党が強い地域でもないのに(前回衆院選では大阪11区で立憲の幹部が落選)、落選の憂き目に遭っています。
 私は山田健太先生とは国民民主党時代に学生部で講義をされた時以来の知り合いですが、山田健太先生は保守派の政治家です。
 ネット上でも自分が保守主義者で夫婦別姓にも慎重であることを公言しています。一方で今回の府会選挙では国民民主党だけではなく社民党の推薦も受ける等、左右のバランスが取れている方です。
 しかしながら、今回有権者の票数を増やして再選したという事は、思想だけでなく実績も評価されたという事です。保守派の野党議員が実績を上げて地盤を固められることは、とても意義の大きい話です。
 大阪では維新の会が強いですが、実は維新の会は夫婦別姓に賛成です。
 多くの方が誤解しているのですが、新自由主義とは保守的な思想ではなく、文化的リベラリズムと言って思想的・文化的にはリベラル派と一緒です。どちらも自己決定権を重視する思想だからです。
 実際、アメリカではリベラル政党の民主党に新自由主義色の強い政治家が多くいます。またフランスでは新自由主義反対の黄色いベスト運動に王党派が参加するなど、保守派が新自由主義に反対する側であることは珍しくありません。
 日本でも基本的に保守主義と新自由主義とは相容れません。所謂「保守本流」の政治家は新自由主義と対立する立場でした。
 しかし近年の自民党は新自由主義色を増し、意外かもしれませんが一部では保守本流扱いされている岸田文雄首相こそ、これまでのどの総理にも増して新自由主義色が強くなっています。彼の言う「資産所得倍増論」とは「不労所得倍増」のことであり、格差を拡大する新自由主義と極めて親和性が高いものです。
 無論、岸田政権で推進されている経口中絶薬の認可を始め、彼は左翼的な政策を次々と推進しており、決して保守本流であるとは言えません。
 このようなご時世において、最大野党である立憲民主党に保守派の実績ある政治家のいることは、極めて重要です。
 なお、夫婦別姓について一部で「夫婦別姓反対は党の綱領に違反する」というデマを流している方がおられます。
 立憲民主党は綱領のどこにも「夫婦別姓」など記していません。ただ基本政策の中で「選択的夫婦別姓制度の導入」との記述があるだけです。
 しかし、これは特定の法案への賛否を示すものではありません。そもそも立憲民主党は(その前身政党も含めて)特定の法案への賛否を理由に党員を除名にしたことはありません。
 また、そもそも「夫婦別姓」は法律用語ではありません。「姓尸不称令」以来我が国の法律上「姓」は存在せず、法律用語では「夫婦別氏」です。ですからこの基本政策が特定の法案への賛成を党員に義務付けるものではないことは明白なのです。
 あくまでも私個人の意見としては、同一戸籍同氏の原則は守られるべきであり、夫婦別氏を検討するのであれば国際結婚の先例もある夫婦別籍という方法をまず検討するべきであって、現行の同一戸籍同氏の原則を破壊することを目的とした法案には反対です。
 さらに言うと、「夫婦同氏は女性差別」といったデマを平気で流す推進派は、まず「デマによるレッテルは貼らない」という人間として最低限の良識を身に着けましょう、と思います。
 現行法では女性側が改氏したくなければ男性側が改氏すれば良いだけの話であり、女性側に改氏を義務付け又は推奨するような規定は一切存在しません。男女のどちらが改氏するかは平等な選択肢として用意されているので、私は現に恋人とも結婚した場合の名字をどうするかは話し合っています。
 こういうと一部の推進派が「男性側は仕事の不都合があるからまず改氏しない!」「夫婦共稼ぎで男女どちらも改氏したくないこともある!」等と言ってきますが、私の父方の祖父は稼ぎ主でしたが祖母の名字に改氏しました。
 カップルで名字をどうするかの話し合いは、まずどちらの家を継ぐのか、という観点から話し合われるべきであって、どちらが稼ぎ主であるのか、と言った利己的な理由で話し合うことはよくありません。
 ただ、近年の日本では一人っ子も多く男女双方が跡取りという事もあります。戦前から夫婦の双方が戸主であるため事実婚を選択するということがしばしばありました。
 光明思想家の谷口雅春先生の義父母である石津又一郎先生と谷口きぬ様も双方が戸主であったため事実婚でした。山田健太先生も政治家になる前は事実婚であったと言います。
 山田健太先生曰く、事実婚であっても不都合を感じたことは全くないと言い、実際戦前からあった選択肢であった訳ですが、法的な証明を求める人もいるでしょうから、夫婦別籍での法律婚と言う便宜を認める選択肢もあって良いとは考えます。
 むしろ夫婦別籍はリベラル派こそ賛成しそうな対案なのですが(笑)、敢えて同一戸籍同氏の原則の破壊にリベラル派が拘っていると、本当の目的が戸籍制度の破壊ではないかと邪推されても仕方ありません。
 いずれにせよ、保守派からリベラル派までを包括する最大野党が存在することの意味は大きく、今回の山田健太先生の再選は立憲民主党や大阪府だけでなく、日本全体にとっても良いニュースであると考えます。

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