「口訳万葉集 百人一首 新々百人一首」
日本文学全集02。
折口信夫の口語体訳はわかりやすい。
奈良時代末期に出来たとされる、皇族から農民まで幅広い階級の約4500首もの和歌を収めた、最古の歌集であるが、当時は歌を詠むことが流行っていたのだろうか?
最古の古事記・日本書紀は読んでも、万葉集は読んで来なかったなぁ。
基本的に、季節の移り変わりの機微や好きな人を想う気持ちなど、悲哀を感じてるものが多い。日本人は、こんなに昔からネガティブな感情を大切にしてたのだ。ポジティブばかりなんてクソッタレだ。
人が主体となって、季節や鳥などの動物に、様々な感慨を抱くのであるが、逆に、現象が主体で、人が受け身の場合もある。つまり、例えば、人が季節を感じるのではなくて、季節が人に訪れた、というように。
恋の始まりもある。会ってなくても噂だけで好きになったりとか。契ったのに、心変わりして裏切られたとか。相手ではなく、恋をしてしまった自分を恨むとか。孤独な心情の吐露は、俺も同じ境遇で共感できるね。
「あなたと一夜を共にすることができるのなら、命など少しも惜しくないと思っていた。なのにこうして思いを遂げて、心も身体も許し合った後は、何という事か、命が惜しい。共に生きるために」
「ある時人は愛おしく、ある時人は疎ましい。絡み合う人の気持ち。この世は苦々しいことばかりだ。物思いを積み重ねるばかりの私です」。
藤原定家が編纂したとされる、100人の和歌を1人1首づつ選んで作った、カルタの「百人一首」も同じだ。
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