【ドラマ】「悪魔の手毬唄」

1977年に、TBS系列で放送された、古谷一行が金田一耕助を演じるテレビドラマ「悪魔の手毬唄」(森一生監督)。「八つ墓村」に続いて鑑賞。

別所千恵子(大空ゆかり)は故・夏目雅子、犯人の青池リカは佐藤友美が演じる。

市川崑監督の映画は、邦画ミステリーの最高傑作だと思ってるが、テレビドラマは、上下巻の全6話もあって、ドラマの都合上そうしたのか、尺が長過ぎて、過剰な演出が為されているような気がする。

話の大まかな展開は同じだが、細かい相違点は当然ある。

古谷一行と石坂浩二、どっちがイイかは好みが分かれるところだろうが、古谷さん、ちょっと髪をかけ上げ過ぎぢゃないかい?

先に映画を観たからかもしれないけど、誤魔化さずに、丁寧に一つ一つ、説明していく石坂さんの方が俺は好きかな。

このドラマでは、なんといっても“グラマー歌手”である大空ゆかりを演じた故・夏目雅子の清楚な美しさがとても印象に残る。

犯人役の佐藤友美も美しいのだが、青池リカだったら、もっと背負って来た悲劇が現れるような深い影とちょっとの老いが欲しいね。

映画の磯川警部は、金田一を下に見てる大胆不敵さがあるけど、ドラマの日和(ヒヨリ)警部は、あくまで金田一を尊敬して彼に従う従順さがあって、ドラマのアクセントとしてユーモアを投じる役どころだ。

「悪魔の手毬唄」の魅力は、寒村の温泉宿における残虐性とエロティシズム、手毬唄に則ってという殺人の美学を加味しつつ、人間の深い情念をその根底に置いたということだと思う。


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TOMOKI
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。