「日記から」
「小説神髄」を書いた明治の小説家、坪内逍遥の日記かと思って手にしたら、現代のエッセイスト、坪内祐三さんだったのね。すでに故人だけど。
明治・大正・昭和の文士を中心に、それぞれの日記から一文を取り出して、当時の時局等を紹介したもの。
当たり前だけど、文豪であっても、一介の“人”であるんだなぁと思った。戦局に合わせて一喜一憂したり、些細なことで感情を露わにしたり、変革が叫ばれる時代に夢を見たり…。
日記は素が出るとはいえど、どんなに思考を巡らせようとも、人は歴史の流れとは決して無縁でいられないってことがよくわかる。
興味深い話はたくさんあったが、三島由紀夫がことの他、松本清張を嫌ってた話は面白い。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。