「愛の渇き」

多分、2回目。以前、映画も観た。

物語をチョー簡単にいうと、
夫を亡くしたお上品な未亡人・悦子が、舅の農園に身を寄せて、舅と肉体関係を持つものの、若い使用人の三郎に惹かれて、悶々とする。
三郎は、女中の美代を妊娠させてしまい、舅は彼らを正式に結婚させようと一旦暇を出す。
後日、三郎が独りで戻って来て、悦子が問い質すと、彼は「実は美代は愛してない」といい、夜中の農園で悦子に襲いかかってきて、悦子は鍬で彼を惨殺する…。

悦子の心理を、これでもかと言葉を駆使して、微に入り細に入り描いているのは、全く三島らしくて震えるけど、初期の20代の頃の作品だけに、お前らにこの表現がわかるのか?と、ちょっと読者を突き放したような感じもする。フツーにいえば、青いのぉ、ってことかな。

夜毎、舅の、ガイコツのような手で愛撫されながらも、心は若々しい肉体を持った三郎のソレを想像してる、なんてエロチックなのだろうか。

この頃から、三島は、死とエロスに魅了されてたのだ。

男なのに、ここまで女の心理を描けるなんて、やっぱり三島は…。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。