「赤い帽子の女」
芥川龍之介が「黙陽」(カゲロウ)というペンネームで書いたのでは?といわれたエロ本。懐かしく格安古本でゲット。
今では、龍ちゃん作ってのは否定されてるようだが、大正時代に発行された、エロ等をテーマとした研究雑誌に掲載されたもの。
雑誌は、「相対会」という、大正から昭和初期にかけてあったエロ研究会が、地下出版のように発行してたもので、龍ちゃんの他、坪内逍遙、大杉栄、伊藤野枝など、多くの著名人がメンバーとなっていた。
俺も、前に、「相対会レポート」の復刻版を持ってた。
三島由紀夫も、榊山保というペンネームで同性愛エロ小説「愛の処刑」を、同性愛雑誌に発表しており、作家が自分の真実の性嗜好を、隠れて書くことは例もあることなので、コレも龍ちゃん作と、俺は信じたい。
第一次大戦後の、ナチスが台頭しつつある1923年のドイツが舞台。
ある日本人の男が、娼婦を買おうと街を散策、そこで赤い帽子を被った女に出会う。
その女は娼婦ではないようだが、片言のドイツ語で誘って、公園で行為に及ぶが、立ったままだったので、挿入を果たせずに終わってしまう。
後日、化粧品の売り子だった、その女と待ち合わせ、ホテルで挿入を果たす…といったストーリーだ。
行為の場面は、女の肉体の反応まで、微に入り細に入り、書かれており、自主規制(?)の文字抜け部分もたくさん。
さらに想像を掻き立てられて、古い文章ではあるが面白かった。エロってのは永遠だなぁ。
後半は、ドイツをはじめ、ヨーロッパの文化や、各国の女性の特徴などを、日本人の視点で研究成果のように書いている。
文章頁の合間に、古い外国のヌード写真や同絵画が多数入った、けっこう豪華な書籍で、版元は美学館、昭和55年の発行となっている。
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。