「田舎医者」
カフカの短編「田舎医者」の絵本を見っけ。
小説を最初に読んだ時は、ナンジャコリャ?てなもんだったが、難解というわけではなく、とにかく“奇妙”なのである。
医者が往診を頼まれたものの、馬が死んでしまったために、患者の家まで行けない。
女中が近所を回ったが、どこも貸してくれない。
途方に暮れていると、豚小屋から馬丁が馬二頭を連れて出て来る。
女中が手伝おうとすると馬丁は彼女に噛み付く。
とりあえず患者が待ってる家に行くと、腰に薔薇色の傷を持つ、裸の少年が寝てる。
医者は家族らに裸にされて少年の横に寝かされる。
医者は診察を終えると、毛皮だけを持って、馬に飛び乗って逃げるように出て行く…。
一筋縄ではいかないカフカの小説だけど、どう理解すればいいのかわからず、元の物語は簡単なのだが、アレコレ考えるうちに、読む者が難解にしてるような、深みにハマる奇妙さがある。
多分、時代背景とカフカが持っていた言葉にはできない、自分という存在をも危うくしてしまう程の不安が根底にあると思われる。
アニメになってるというから見たいなぁ。
「本当の道は、一本の綱の上を通っているのだが、綱が張られているのは高い所ではなく、地面スレスレである。それは歩かせるためというよりむしろ、つまずかせる為のものの様に見える」byカフカ
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。