「17歳のための世界と日本の見方」

尊敬するセイゴオ先生の「17歳のための」本だけど、来年、60となるジジイが読んでもええやろ。わかりやすくてサクッと読んだけど、博覧強記が垣間見えてて、17歳にわかるだろうか?

セイゴオ先生専門の編集工学の見地から、基本、キリスト教文化の世界と、独自の宗教観を持つ日本を読み解くことで、あらゆるものの関係性、つまりは編集することができる“柔らかいセンサー”を持ち続けることを訴える。

人間というか、あらゆる生物の基本は情報であるのだけど、果たして、その情報を駆使してコミュニケーションを成立させることが可能なのかどうか、だよなぁ。

宗教の始まりから物語の成立、それを編集する者の登場、善悪の二元論にもとづく絶対価値のキリスト教の成立、そして、我が国…とぜ〜んぶ面白かったけど、日本について一部。

日本文化とは、時代と共に変動しているもので、外の人間がイメージする日本の文化って、たいてい天然記念物のようなもので、現代の日本人でも知らないことが多いし、本当の文化とはいえないだろう。

基本的には、外から素材となる“コード”を輸入して、それをもとに日本なりの様式としての“モード”を生み出すという独特の編集力を発揮してきたのだ。

そして、移り変わりにモノノアワレを見る“無常感”が生まれたわけだね。

だから、日本は、古事記にも記されたように、クラゲのように漂っているのであり、ハッキリとした核となるものがないわけだ。


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TOMOKI
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。