「JR上野駅公園口」
大先輩に頂いた本。
柳美里さんは前に何か読んだことがある。何を読んだかは忘れたけど(笑)。
東京・上野公園をねぐらにしていたホームレスの男性が一生を振り返るといった内容。
前に、海外旅行で成田空港に行くのにスカイライナーに乗るため、早朝、上野駅の地下を通ると、よく手配師のオッサンに、「上に停まってる車に乗って」とカンチガイされたことを思い出した。
あちこちに寝てた異臭を放つレゲエのオッサンも。ついでに山谷争議団と反天連とアナキスト連中も。
社会の隅の隅に追いやられて、存在さえも忘れられて、それでも何かを求めて公園に集ってしまう人たちを描いた、薄暗くて、重くて、澱んだ内容の小説だとは思うけど、構想十二年の割には、目新しいものはなく、全て予想できた、もしくは知ってることが材料で、俺には特に衝撃的でもなかったなぁ。
少年たちが、ホームレスを襲撃する背景には何があるのか、社会的に阻害されて汚くなってしまった存在を忌み嫌う心理はどうやって生まれるのか、最近の、社会的弱者をいらない存在と決めつけるインフルエンサーの思考はどうなのか?…こういったことをテーマにした小説の方が、俺は興味深い。
つまり全然面白くなかった。先輩、ごめんなさい。
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。