「イレイザーヘッド」
カルト映画の巨匠、尊大、デヴィッド・リンチ監督の有名な長編デビュー作「イレイザーヘッド」(77年、Eraserhead)。もう若い頃から数回観てると思う。が、あまり印象に残ってないなぁ。ルイス・ブニュエルとダリの「アンダルシアの犬」とどっちがいいだろうか(笑)。
モノクロの暗い画面の中で、なんかモシャモシャしてる映画で、確かに、不気味でアバンギャルドでグロでシュールで、わけわからんし、途中で早送りしたくなる衝動に駆られるけど、ウェ〜ウェ〜と泣くカワウソみたいな赤ん坊や頬にコブのある歌う少女、モジャモジャの消しゴム頭など、すでにリンチ監督のフリークス好きの片鱗を感じさせるね。
ノイズミュージックが好きな俺は、キリキリ頭が痛くなる工場の機械音みたいな、この映画のサントラを好んで聴いてた。若きリンチ監督が全てを手がけたこの小品はアメリカの公のフィルム登録簿に記載されてるというから評価されてるんだね。
印刷工であるヘンリーは、恋人メアリーに奇妙な赤ん坊が生まれたことを知り、結婚して一緒に住んで育てるが、メアリーは、赤ん坊の泣き声に悩まされて家を出て行ってしまう。残されたヘンリーも歌う少女の幻覚を見るなど、だんだんとオカシクなっていき、ついにはハサミで奇形の赤ん坊を殺してしまうというのがだいたいのストーリー。
ヘンリーを演じたジャック・ナンスもリンチ作品にけっこう出てる米国のカルト俳優だ。
こういうアバンギャルドな映画って観る側も覚悟と体力が必要だね。監督の自由な表現を真正面から受け止め、共感できる積極的意思がないとダメだ。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。