【古典邦画】「朝の波紋」
フランス・パリへの逃避行から帰国して、すぐに撮ったデコちゃん(高峰秀子)主演の、1952(昭和27)年の作品「朝の波紋」。監督は五所平之助。YouTubeにて。
まだまだ、バリバリ仕事ができる女性が、「女のくせに」とあまりよく思われなかった時代。
小さな貿易会社の社長秘書でもあったデコちゃん演じる瀧本篤子は、巧みな英語で外人を相手にテキパキと仕事をこなす有能なOL。
彼女の家では、父親が戦死、母親は遠く箱根のホテルで中居をしており、独りだった親戚の少年を預かっている。
篤子は、ある日、この少年と親しくしてた伊能田二平太(池部良)という大きな貿易会社に勤めるサラリーマンと出会う。
彼は篤子と違って、芸術家肌で、貿易の仕事は好きではなく、会社でも度々ミスをしていた。
少年の家出も絡んで、いろいろと誤解から来るトラブルも多々あったが、ラストは、この二平太と篤子の2人が結ばれるという話だ。
実は、仕事もできるニ平太が、大きなトラブルを抱えそうだった篤子の仕事を陰でバックアップしてたみたいな展開で、反目していた篤子もニ平太を見直すという流れで、俺はちょっと納得いかないかなぁ。
できる女性を男性社員が嫉妬するという構図は今でもあるんぢゃないか?
篤子は、同僚の男性社員が放つ何気ない一言が内面を表しているようで、その彼を信用できないでいる。
そんな篤子が、少年と親しいニ平太の飄々とした態度と隠された優しさに、今までの仕事ばかりだった人生に疑問を持つのだ。
デコちゃんの英語はキレイだ。さすがだね。俺も昭和のジジイだから、女には負けねえという本音がどこかに残っているだろうな。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。