【古典映画】「グランド・ホテル」
1932年のアメリカ古典映画「グランド・ホテル(Grand Hotel)」(エドマンド・グールディング監督)。当時のアカデミー賞・最優秀作品賞を受けた作品。
ドイツ・ベルリンにある超一流のグランド・ホテルを舞台に、公演から逃げてしまうメンヘラのバレリーナ(グレタ・ガルボ)や、他企業とのM &Aを目論む大企業の社長(ウォーレス・ビアリー)と彼に雇われた若い女性タイプライター(ジョーン・クロフォード)、病気で休暇を取ってる老人(ライオネル・バリモア)、そして、落ちぶれた金欠の男爵(ジョン・バリモア)…と、様々な人々が交錯する悲喜交々だ。
落ちぶれた金欠の男爵は、あくまで対外的には紳士だが、バレリーナの宝石を盗もうと彼女の部屋に侵入する。
しかし、彼女を見て一目惚れ、本気で愛してしまう。
男爵は、彼女に誘われて、一緒に公演に旅立つ約束をする。
男爵は、旅立つ前夜、金を得るために大企業の社長の部屋に忍び込んだところを、社長に発見されて格闘の末に殺されてしまう。
バレリーナはそれを知らずに喜んで男爵との待ち合わせ場所に向かう。
一方で、女性タイプライターは男爵に信愛の情を抱くが、病気で休暇を取ってた老人とダンスを踊ったことで意気投合、お互いに新しい人生を生きようと2人でパリに向かう。
どんな喜怒哀楽、事件が起ころうとも、翌日には、またいつものようにグランド・ホテルにはたくさんの人々が集い、また、新たな物語が始まる。
最後にナレーションが入るが、日本の“無常感”と一緒だね。ホテルを舞台に演じられるそれぞれのストーリー、そして、それを連関させる。こういう作劇法を使った映画を、この映画以来、“グランド・ホテル形式”と言うのだって。
結局、強欲な社長に殺されてしまったけど、盗人になりきれずに、病気療養中の老人を助けたり、女性にとても優しく接したりする男爵。紳士のなんたるかがよくわかる演出。悲哀を感じるねぇ。
古い造りの豪華なホテルには、回転ドアがよく似合うね。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。