【古典洋画】「人生はわれらのもの」
巨匠ジャン・ルノワールをはじめ、ジャック・ベッケルなどフランスの8人の監督が、作家ルイ・アラゴンの依頼で作った、当時のフランス共産党のプロパガンダ映画「人生はわれらのもの(La Vie est à nous)」(1936年)。Amazonプライムにて。
工場労働者、農民、技師らが資本家の搾取によって家族共々生活に苦しんでおり、それを仲間(同志)が助けて、皆で資本家に抗議するといった内容。
皆で集まって、唄って(インターナショナル)、行進して、力強い表情もしくは笑顔で明日(上)を見るってのは、共産党のみならずファシストのプロパガンダでも見られるよねー。全体主義にはこういうイメージが欠かせないのだろう。
まだソ連を理想的なプロレタリアート国家と見てた時代だから、ソ連を称賛し、動くレーニンやスターリンなども出てくる。
ヒトラーの演説の声がワンワンワンと犬の鳴き声になってるのは面白い。歴史的には貴重な映像かも。
やはり当時のアーティストには共産党支持者が多かったのだろうか。
第二次大戦の約4年前で、当時のフランス市民の困窮と苦しみを多分リアルに記録した作品であると思う。
最初に、学校で教師が、貧しい子供達に、フランスが如何に偉大な国か、を教えるシーンがあり、プライドの高いフランス人らしい演出だ。
フランスの有名なブルジョワ資本家の写真が、指名手配のように紹介されるが、機運に乗って事業で大成功してリッチになっただけなのに、労働者を搾取していると汚名を着せられて、憎き敵のように扱われるなんてなぁ。
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