【古典邦画】「お嬢さん乾杯!」
木下惠介監督の、1949(昭和24)年の作品「お嬢さん乾杯!」。
没落したブルジョワ階級の令嬢・泰子に原節子、自動車修理工場を経営する叩き上げの労働者階級の青年・圭三を佐野周二が演じる。
まあ、恋愛コメディなのだが、木下監督らしい一味違うものに仕上がっている。
未婚の圭三のもとに、元華族だったお嬢様・泰子との縁談話が持ち込まれる。
圭三は乗り気じゃなかったが、美しい泰子を見て激しく心を動かされる。
結婚に乗り気となった圭三は、泰子の邸宅を訪問するが、そこで、泰子の父が詐欺事件に巻き込まれて刑務所に入っており、大きな邸宅も抵当に入ってることを知る。
圭三は、自分が自動車修理工場の経営で成功しているので、金目当ての結婚かと失望し、華族だった泰子の生活とは何から何まで違ってることで苦悩する…といった物語である。
ラストは、泰子も圭三も心を開いて本音を話すことで近付くものの、圭三が自分との違いを感じて、身を引こうとするが、泰子が「わたくし、惚れております」と後を追うという、一応、ハッピーエンドで終わる。
原節子の、自分を出さない、奥ゆかしい演技が秀逸。まさに高貴だった身分を感じさせるブルジョワ令嬢だ。キスをしたいのだが、恥ずかしくて圭三の手袋にキスするなんてなぁ。
テンポよく話が進むライト・ラブ・コメディだが、当時の世相を表すシーンも盛り込みつつ、没落華族と戦後に台頭した新興成金との対比が木下監督ならではだ。
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