【古典邦画】「小島の春」
1940(昭和15)年の、ハンセン病を題材とした映画「小島の春」(豊田四郎監督)。YouTubeにて。
ハンセン病患者(当時は、らい病)を、国立の専門療養所である長島愛生園(岡山県)に収容するために、近隣県を回った医師・小川正子の手記を元にしたもの。
タイトル通り、迫害・差別され、影の存在であったハンセン病を患った人々を、専門の施設に隔離・収容することで、彼らにも明るい未来が見えてくるみたいな内容だが、現実はそんなことはなくて、公開当時、ハンセン病に対する偏見を強くし、全ての患者を専門施設に強制隔離・収容した人権無視の、悪名高い“無らい県運動”に加担したとの批判があったという。国策映画か政府が推薦したのかなぁ?
まあ、当時は、まだまだハンセン病に対する理解がなかったし、伝染すると恐れられてもいたから、完全隔離するしか手がなかったのかもしれない。それでも、わが国お得意のイジメのような処置をさせられて、強制的に断種・堕胎手術までさせられたから、とんでもないことであるのに間違いはない。この映画の撮影にも、地方で様々な反対があって難儀したらしい。
女医の小川(夏川静江)らが、在宅患者を探し出し、患者とその家族と面談して、施設への入所を勧めるとともに、病気に対する正しい知識を広めようとする。
小川らの訪問を受けた者は、恐れて戸を閉ざす。小川はとても丁寧で優しいが、子供を裸にして「悪い虫はいないかなぁ」と検査をする。まるで患者を狩っているかのようだ。故に、のどかで素朴な村の風景が続くが、全編に渡って暗い。
健康な村人は、「子供らは私らが面倒を見る。安心して施設に行って、早く病気を治して帰って来て」というが、実際には残された者は、理不尽で排外的な目にあっているのだ。
患者で杉村春子が出ている。
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