【古典映画】「宮本武蔵」

溝口健二監督の、1944(昭和19)年の作品「宮本武蔵」。YouTubeにて。

一応、コレも戦時中の国策映画だけど、プロパガンダ的なイデオロギー色は感じない。単純に娯楽作品として作られたのであろう。

けど、国策だからか、他作品と違ってやる気のなさが目立つような…。

有名な吉川英治原作ではなく、菊池寛の原作がベース。違いは、武蔵の恋人、お通が登場しないこと。代わりに、父の仇を討つ田中絹代(信夫)が武蔵に想いを寄せる弟子となってることだ。

一応、一乗寺下り松から佐々木小次郎との巌流島での決闘まで描かれるが、殺陣など、やたらと展開が早いね。もう少し引っ張ってもいいのに、とか思うけど、多分、溝口監督は、そういうアクションでの見せ方が好きじゃなかったのだろう。心理描写の方に重きを置いてると思う。

ラスト、「俺は一生、妻を娶らなぬ」と言って、信夫(田中絹代)のもとを去って行く武蔵、“漢”だねぇ。

溝口監督は、海辺など水のある風景の描き方が独特で美しいね。


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TOMOKI
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。