【邦画】「あゝひめゆりの塔」
やっぱ、狂気が目立ち、きな臭い雰囲気漂う、この時期にはこういう映画を観ないとな。
昔の反戦映画の代表作「あゝひめゆりの塔」(1968年、舛田利雄監督)。
主演は吉永小百合、流石は昭和の大女優、輝いてる。眼で訴える表情とか、何気ない仕草とか、飛び抜けて上手いね。
映画としては、そんなに面白いものではなかったけど、臨時看護婦部隊である“ひめゆり部隊”が見舞われた悲劇、残酷、恐怖、無念がリアルに描かれている。実際の映像も混じえながら。
穴蔵で救護されてる負傷兵の手脚がもぎれた様子や、狂気に陥ってしまう様子、自ら毒入り牛乳を飲む様子など、確かに凄まじい。若い女の子だけに凄まじさが際立つ。何も言えない。
例によって軍部が勝手に玉砕、あるいは撤退・逃亡していく中で、徴用を解かれず、最後まで解散命令が出されずに、また部隊の女の子たちも率先して、最前線で看護の任務を尽くし、挙句の果てには撃たれ、もしくは自害(手榴弾を抱えるようにして)して死んで行く。
本土に見捨てられた沖縄戦の悲劇だ。
川に飛び込んではしゃいで水浴びして歌って踊るシーンだけはニンフのような美しさでホッとする。後で銃撃に遭っちゃうけど。
それに、日頃、日本精神を声高に主張してた軍人の先生が米軍の攻撃でパニックに陥った時、ひめゆり部隊の女の子が平手打ちするシーンはスカッとするね。
オープニングに、終戦から23年後の、ディスコで踊り狂う若者を映し、渡哲也が話すシーンがある。わざと、戦争の悲劇を知らない世代の狂乱ぶりを示して、ひめゆり部隊と対比させた感じだが、それはちょっと違うと思うね。
ひめゆり部隊は、確かに大きな悲劇だけど、時代によって、その時代に合った悲劇があるはずで、ひめゆり部隊と比較するものではないだろう。こういうイデオロギーは好きくない。
この映画、確か前にも観たなぁ。
ひめゆり部隊って、1953年、今井正監督の映画を皮切りに、これまで6回ほど映画化されてるんだね。当然、映画だから脚色もいっぱいあるだろうけど。
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