「スマホ脳」

予想できた内容の新書。

スマホをはじめとするデジタル技術の進化に、人間の脳が適応できておらずに、様々な障害を起こしてるんじゃないかと警鐘を鳴らす。

スティーブ・ジョブスやビル・ゲイツなど、IT業界のトップが、我が子にデジタル・デバイスの使用を制限してるというのは有名な話だけど、かといって歴史をアナログに戻すわけにはいかないし、ここまで浸透したスマホの使用を今さらストップするなんて、どだい無理なことだし(俺は今だにガラケーだけど、iPadがある)、でも、人間は生物として“進化”してるものだから、俺の次世代、10年、20年、もっと先は、デジタルを脳が完全に受け入れて、また変わって来るんじゃないかなぁ。

文明批判の本って、付いていけない旧世代がやっかみで新世代を貶すものが多いからね。この本の著者は旧世代じゃなく新世代(?)で精神科医だけど。

スマホは最新のドラッグで、集中力を削がれ、睡眠やメンタルヘルスに多大な影響を及ぼして、つまりは脳が報酬(欲望)を我慢できなくなる、バカになるってことだ。特に子供たちは。

俺もFacebookをコアに使ってるが、「いいね!」の数をやたら気にしたり、何よりもまずページを開いたり、誰かの投稿をスゲ〜気にしたり、使ってるんじゃなく、完全に使わされてるよねー。

それに、関係ないのに、他人の投稿が、セレブで幸せに満ちてるように見えたり、政治的態度が自分と真逆のように思えて、勝手な嫉妬や怒りなど、とにかくストレスだけが大きくなってしまう傾向にあると思う。完全なSNS中毒だよな。

人間の脳は基本的に噂など、他人を貶めることが大好きだから、そういうものに対する「報酬系」を過剰に求めるようになってしまうのだ。スマホを手にしようとするだけで、ドーパミンなどの快楽物質が出され、使い始めると安心するのか抑えられるという。

IT、AIと確かに人間の脳は急速な発展を遂げたデジタル社会に適応してないだろう。

最後に精神科医としてのスマホ中毒にならないためのアドバイスが載ってるが、利用時間を制限するとか、寝る時は電源を切るとか、運動をするとか、めっちゃアナログ的で笑っちゃうけど、それくらいしか対応法がないわなぁ。

思考や哲学、決定など、従来、脳が働いていたことの大部分を外部のデジタル・デバイスが代わりにやってくれるようになる時代も近いと思うけど、そうなったら人間の脳は退化というより新しく進化してどうなっていくのだろうか。

言葉や文も、感情的で短いし。認知症を笑ってられなくなるかもね。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。