【洋画】「マニアック」
YouTube恐怖映画劇場。
1980年の「マニアック(Maniac)」(アメリカ、ウィリアム・ラスティグ監督)。
昔々、観たかったけど、ソフトがなかったのだ。
ホラーというよりも、サイコ・サスペンスかな。
低予算B級ものだけど、アメリカの下層階級が住むドブネズミが走り回ってるような汚い下街(←この雰囲気が好き)を舞台とした、大柄の気持ちの悪いマザコン男が、女性を憎み、娼婦をはじめ、出会った女性を次々と殺害していく話だ。実際の連続・大量殺人者にも同様のプロットを持つものが多い。
こういう映画では名脇役のジョー・スピネルが監督以外、主演、脚本、製作等全てをこなしてる。分厚いメガネをかけた、太っちょのデカい男でサイコ野郎を演じるにはピッタリだね。特殊メイクは、ゾンビで有名なトム・サヴィーニ。
巨漢の中年マザコン男フランクは毎夜、女を物色しては殺して、その頭皮を剥ぎ取り、持ち帰って部屋に並べたマネキンの頭に被せるのだ。
なぜそういうことをするのかといえば、彼が幼少期、母親から虐待を受け、棚に閉じ込められて、その棚の中から母親が毎回違う男と寝ているのを見ていて、それ以来、女性に対して、好意を持っても、「いつもどこかへ行ってしまう」という強迫観念を持つようになる。
それでフランクは生身の女性に近付くことができずに、部屋を女性のマネキンで埋め尽くすようになる。しかし、それだけではなく、生身の女性に対して、激しい怒りを感じるようになり、女性を殺して衣服と頭皮を剥ぎ取って、部屋のマネキンに被せて悦に入る快楽殺人鬼になったのだ。
外と内と態度が変わって、明らかな二重人格だ。
激しく抵抗されて狙った女性を殺すのに失敗、逃げ帰ったフランクは、自分を叱りつけ閉じ込めようとする母の声の幻聴を聞く。そして、部屋中のマネキンが殺した女性たちになって襲いかかって来る幻影を見て、ついに発狂する…。
ラストの展開が弱いと思うけど、実際にありそうなサイコ野郎の悲しい犯罪で、俺は好きだ。